11話
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貴重な経験を積めるし、私たちは他のクラスの子に情報が売れる。一石二鳥だね織斑くん」
セシリアの発言にクラスメイトはそれぞれ話し始め、教室内が喧騒に包まれる。そんな状態になっても鬼一は一切関与しない。
パン、と手を叩き教室内を沈めるセシリア。一度鬼一に視線を飛ばすが、鬼一はずっと書類に視線を向けたままだ。今の音も耳に入っていないみたいだ。そんな鬼一に苦笑するセシリア。
セシリアは、コホン、と小さく咳払いして気持ちと表情を切り替える。あんまり今の顔を誰かに見られたくないと思った。なぜなら鬼一だけにしか見せない顔だったからだ。
セシリアは鬼一から一夏に向き直り柔らかな声色で話し始める。
「織斑さんが宜しければですが、もしクラス代表に不安があるということであればわたくしも鬼一さんもそのお手伝いを致します。IS操縦の技術に関してはわたくしが指導することが出来ますし、鬼一さんなら一夏さんに戦略の組み立て方や対策について詳しく教えることができます」
セシリアはISに関する操縦技術に関しては代表候補生の看板に恥じず、IS学園全体で見ても上位に食い込むし学年で見たらトップクラスと言っても間違いないだろう。そしてそんなセシリアから見ても鬼一は、戦略の組み立てや対策に関して自分よりも上という評価を下していた。
相手の心理状況や立ち位置、自分の状況を客観視し、それらを踏まえて戦略や対策をその都度冷静に文字通り最速で組み上げ直すそのスタイルはセシリアには出来ない。
厳密に言えばセシリアには相手の心理状況まで思考が及ばない、という方が正確か。自分の状態や相手の武装や特徴を踏まえて戦略や対策を組み上げることは出来る。だが鬼一はもう1歩先に踏み込んだ内容だ。相手の思考や心理を読み取る、操作して攻防の選択肢を自分が握るという芸当は鬼一ならではのスタイルであり、模倣すらも困難だ。
だが、一夏にはこの能力が必要だと考えた。
純粋近接型に圧倒的な逆風が吹いているこのご時勢に、ブレード1本で1つの勝利をもぎ取るのがどれだけ困難なことか。一夏を除くIS操縦者ならもよく理解している。
そこで初めて鬼一が顔を上げて口を挟んだ。
「……これから遠からず白式のスペックが世界中に公開されますが、まず間違いなく徹底的に対策されると思いますよ。それこそ織斑先生に使えるレベルの対策が出てくるでしょう。その土壌も出来てますしね」
「鬼一」
一夏も今回のクラス代表決定戦、鬼一との戦いで対策される恐怖は身に染みるほど痛感していた。あれを超える対策が出てくるかもしれない、と考えると一夏は寒気が立つ。
「……正直なところ、今後一夏さんと白式が勝つためには技術と今あるセオリーだけではかなり困難でしょう。セオリーを覆すだ
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