暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
11話
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戦とこの勉強会で未熟さを痛感させられた今、一夏は自分が弱いということを理解したからだ。

「ちょっと考えれば辿り着く答えですよ。こんなこと話すつもりはなかったんですけどね。ちなみに、一夏さんクラス代表になりましたがその意味を理解していますか?」

 一夏は考えてみたが、鬼一のいう答えにたどり着けなかった。素直に降参する。

「まぁ、しょうがないですねこれは。答えを言うとこれは他のクラスメイトの評価に繋がりかねないことなんですよ」

「……え?」

 その言葉の意味が一夏には理解出来なかった。なぜ自分がクラス代表になることと、他のクラスメイトの評価に繋がるのか分からなかった。

「他のクラスの生徒や愚かな教師、あとは外部の人間でしょうか。その人たちは一夏さんの結果を通して他のクラスメイトを見るんですよ」

「……マジかよ?」

 信じられないと言わんばかりの一夏。自分だけじゃなくて他の人間にも少なからず影響が出ることなんて、考えもしなかったみたいんだ。

「例えば専用機持ちである一夏さんが他のクラス代表に負けたとしましょうか。しかも訓練機持ちに。そうなると大多数の人間は結果を見てこう思うんですよ」

 鬼一もそれを何度も味わったから骨の髄まで理解している。大会で自分が負けたとき、周りのクラスメイトの評価が下がってしまったことを。

「『織斑 一夏というクラス代表がこの程度なら、他のクラスメイトの評価などたかが知れたもの』ってね』

 そしてその評価はとても残酷なことを。

「まぁ、僕やセシリアさんは究極的にはどうでもいいことなんですよそれは。僕たちはそれを挽回する舞台が1つ2つあるから」

 鬼一にしろセシリアにしろ、望むにしろ望まないにしろ必ず舞台に立つことになる。

「でもほとんどの生徒はそれを挽回するチャンスすらもないんですよ? そして悪くなった評価はそのまま今後の進路などにも影響が出てきます」

 本当にこんなことを喋るつもりはなかった。

「だから一夏さんは一刻も早く強くなって、舞台に立たされた時には結果を出せるようにならないといけない」

 そこまで喋って鬼一は言葉を切る。そしてセシリアと一夏だけに聞こえるように小さく呟く。
 
「……ま、こんなことを言いましたが、まだ1年ならそんな評価されることもないでしょうけどね」

 箒を黙らせるつもりで鬼一はこのように話した。その言葉に一夏はホッとする。実際にはもっとシビアな評価が下されるようになるのは2年の後半か分岐点に立つ3年からだ。もし、そんなことになるのであれば自分たちの都合を優先させるつもりなどはない。

 だけど、一夏の取り巻く環境を考えれば早く強くならないといけないのは確かだ。

 一夏は姉である織斑 千冬
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