11話
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なものです」
頭を使うことは苦手だが、それの必要性は十分に理解した一夏はここまでの話をノートに書き残す。
「ありがたいことに一夏さんのスタイルに噛み合いにくいのがここに2人いますからね。練習にはそう困らないと思いますよ」
多種多様な武器を使い、多数の戦略や対策を生み出し続ける鬼一。
遠距離武装で固められ、距離を詰ませないで戦うことに特化されたセシリア。
この練習は3人にとって有意義なものになるだろうと確信する。
鬼一にとっては持て余している武装を研究するまたとない機会。
セシリアにとっては距離を詰められてしまった時の、いざという時の対応を身につけるための機会。
一夏にとっては不利をつけられている相手に対して、どうやって戦うのか? どうやって勝つのかを頭でも身体でも知るための機会。
今までは我慢していた箒だったが我慢が出来なくなったのか勢いよく立ち上がり、声を張り上げる。
「一夏にそんな戦い方は必要ないっ! そんな邪道のようなもの! 私との鍛錬だけで十分だ!」
その言葉に鬼一、セシリアは唖然とした表情になる。何を聞いていたんだこいつは? とでも言いたげな表情だ。
だがそんな表情も一瞬。鬼一は冷たく問いかける。
「……一夏さんの戦い方を貴方が決めるものではないでしょう。それに鍛錬は自分だけで充分だと仰いましたが、貴方との鍛錬の結果がこのザマなんですよ?」
鬼一はこの瞬間、篠ノ之 箒という少女の評価を低下させた。
「それに今なんて言いました? 中々面白いことが聞こえましたね。邪道、て」
「当たり前だろう!? 相手の弱点を見つけてそれを突くような真似など、真っ向勝負で勝つことに意味があるだろう!」
「アハハハッ!」
突然笑い始める鬼一。その笑いは楽しそうなものではなく、相手を馬鹿にしているようなものだった。心底面白そうに笑った鬼一は興奮したように喋る。
「随分面白いことを言うんですね! 相手の弱点を見つける? 見つけた弱点を突く? それの何が悪いと言うんですか!?」
弱点を見つけることも、弱点を突かれることなど、それは悪ではないと鬼一は断言する。それを晒す方が悪だと思うし、突かれる方が悪なんだと、そしてそれを行わないのは弱者の傲慢でしかないと声を上げる。
「ええ圧倒的な実力がある、理不尽なまでの強者なら真っ向勝負でもいいでしょうね。でも人のことを言えませんが現実問題、一夏さんにそんな実力はありません。そしてそんな実力を身につける時間なんてないですし、それを待ってくれる相手も状況でもありません」
「……どういうことだ鬼一?」
鬼一の遠まわしの弱者発言を特に気にした風もなく一夏は問いかける。今回の代表決定
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