機動戦艦ナデシコ
1373話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
火星にて行われる会談については、思いの外とんとん拍子に決まった。
それこそ、この会談の件を聞いた時に感じていた不安は何だったのかと言いたくなるくらいにだ。
……あのプライドの高そうなグリューノが、よくもまぁ、この会談をこうも簡単に引き受けたものだ。
そして……ヨシサダが地球へと会談の話を通してから一週間後の今日、いよいよ会談の日がやって来た。
本来であれば、一国の代表が……それも戦争で敵対してる国の代表が会談をするんだから、一週間程度で話が纏まる筈はない。
それが可能になったのは、言うまでもなく俺達シャドウミラーという存在だろう。
『アクセル代表、ではよろしく頼みます』
シロガネへと通信を送ってきたのは、木連代表の草壁。
その草壁の後ろには、白鳥や月臣、秋山、高杉といった者達の姿もある。
護衛という事なのだろう。
幾ら俺達シャドウミラーが今回の件に責任を持っているとはいえ、木連側にしてみれば以前自分達が送った使者が殺されているのだから無理もない。
そして何より驚いたのは、草壁が乗っている艦の姿だ。
カトンボでも、ましてやヤンマでもない。
これまで俺が見てきた木連の戦艦とは違い、明らかに新型と呼べる戦艦だった。
木連としても、カトンボやヤンマのような量産型の戦艦しか作れないという訳ではないらしい。……もしかして、この艦も実は生産プラントが存在する艦だったりしないだろうな?
木連だと、その辺が普通に有り得るのが怖いところだ。
まぁ、この新型艦……みなづきとか言ったか? そのみなづきは見た感じ、カトンボやヤンマに比べて随分と武装が減っているように見える。
恐らく空母的な性能を強く持たせた艦なのだろう。
それともこの辺りは試験艦という扱いだからで、このまま進めばもっと強力な武装を施される……のか?
ともあれ、恐らくこの戦艦は木連にとって極めて機密度の高い戦艦なのだろう。
そんな機密度の高い戦艦を何故出してきたかと言えば……まぁ、ぶっちゃけ示威行為以外のなにものでもない。
自分達はまだこれだけの戦力を持っている。
このまま戦えば勝つのは木連だと、そう示したいのだろう。
戦時中に敵対している勢力のトップが会談をするのだから、このくらいは当然といったところか。
「分かった。転移に関しては、木連よりもシャドウミラーの方が一日の長がある。それに、そっちの転移には色々と問題もあるらしいしな」
『助かります』
木連が使う、チューリップを使った転移。
それには決定的なまでの欠点が存在していた。
何故なら人間が転移出来ないのだから。
どうやら人間が転移をすれば、基本的には死んでしまうらしい。
火星に転移したクロッカスに生存者がいなかったのは、つまりそうい
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ