ムーンライト・オキナワ
[4/4]
[9]前 最初 [1]後書き
撃後に指揮系統が混乱した北日本軍は最後までその混乱が回復できずに勝利の一因になっていた。
その為、今回の一件を把握したSRIの鹿内氏より、『貸し借りなし』という理由でこの一件は闇に葬られる事が決まっていた。
納得出来ない銭形を除いて。
「奴は大変なものを盗もうとしています」
「何だい?それは?」
銭形はただ指を空に向けた。
その先には青空。
いや、宇宙が広がっている。
「宇宙を股にかける泥棒か。
追いかけるのも大変だ」
老人は笑った。
銭形も笑う。
別に銭形とてこの一件を表に出せと言うつもりはない。
ただ知って欲しかったのだ。
ルパンの危険性を。
特に危険な女ほど彼に惚れるという傾向を。
そんな大人二人の会話等知らない少女は無邪気に、己の未来を告げる。
「わたし、あのおふねにのるの」
人類はいずれ宇宙に社会を築くだろう。
その社会は今の我々と同じく、朝起きて夜眠り、男女が恋をしたり、警察が泥棒を追いかけたりするのだろう。
その当たり前の未来に、この沖縄は繋がっている。
老人と銭形は一直線に伸びた宇宙往還機が出していった雲の道を眺めながら、ただ満足そうに笑った。
[9]前 最初 [1]後書き
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ