TURN37
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「良かったのかい雪風? 帝からの勲章授与式だったのに……」
「ええよ。俺には勿体無い物や」
俺はそう言って持ってきた日本酒を建てられた小さな石に振り掛ける。
「それにしてもリンカーンとプリンセスの墓を建てるなんてな……」
「いくら原作がエロゲーやったとしてもこの生きている世界では人間やしな」
「……それもそうだな」
俺と茂は石に手を合わせた。そこは横須賀の海が見える場所やった。
「今から技研で飲むかい?」
「それもそうやな。酒代は?」
「安心しろ。二パックのビールが冷蔵庫で冷えている」
「技研が家みたいやな」
「中々新居には帰れんからな。御波が技研を家だと認識しないようにしないとな」
「そこは東郷長官に言えよ。予算が増えれば人員も増えるしな」
「それもそうだよね〜」
その後、茂と技研で飲んで家に帰る。
「ぅ〜茂の野郎。御波ちゃんの話が長すぎるんや」
ちょっと千鳥足やけどな。ん? 家の前に誰か……。
「……帝?」
「はい、帝ちゃんです」
玄関前に帝がいました。何故に敬語。
「何故此処に?」
「勲章をあげるためですよ」
帝がほらほらと勲章を出す。
「いやだから自分はそのような物は受け取る権利はありませんよ」
「駄目です。受け取って下さい」
「いやですから……」
「へくちゅ」
その時帝がくしゃみをした……待てよ。
「帝、此処に何時間いましたか?」
「軽く五時間はいました」
……おいおい……。
「……取りあえず上がって下さい。身体を温めなければなりません」
「初めて皇居以外で家に入りますよ」
俺は帝を家に入れた。
「護衛はいないのですか?」
「明石大佐が周囲にいるので大丈夫です」
……よく反対されなかったよな……。
「粗茶ですが……」
俺は帝に温かい御茶を出した。
「ふぅ……暖まります」
帝がほふぅ〜とほわほわした表情をしている。
「まぁこたつでも。ミカンはちゃんとありますし」
「冬にこたつの上にあるミカンは必需品ですからねぇ」
帝は慣れた手つきでミカンの皮を剥いでミカンを食べる。
「それじゃあ勲章です」
「いやですから……」
帝が思い出したように勲章を俺に渡す。やからいらんのに……。
「是非とも受け取ってほしいんです狹霧さん」
帝はそう言って俺に土下座をした。
「み、帝ッ!?」
「無実であるのにも関わらず、貴方を予備役にしてしまった罪は私にあります。本当にごめんなさい」
……まさかの土下座すか。この場面を宇垣外務長官
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ