アクノロギアvs.イグニール
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だけしか魔法を使っていないらしい。でも、彼がもともと使っていた氷属性と同じ魔法なため、飲み込みは早かったようだ。
ドガァン
俺たちが互いの事情を話し合っていると、外から大きな爆発音とけたたましい振動が伝わってくる。そちらを向くと、なかなか決着のつかないドラゴン同士の戦いが、さらに熱を帯びているように見える。
「にしてもすげぇな、あのドラゴン」
「本当ですね」
エクリプスから出てきたドラゴンは、アクノロギアに比べると数段力が落ちているように感じた。たぶん彼らがあの暗黒の翼と戦っても、ものの数秒で負けてしまうのは目に見えている。
だがしかし、あの炎のドラゴンは違っている。島一つを一息で消し去るほどの力を持っているアクノロギアと、真っ正面からぶつかり合うことができているのだ。それも、力負けすることなく、互角の戦いを演じているのである。
「何者なんだ?あいつは」
どこから現れたのかも、味方なのかも正確にはわからないドラゴンを見て眉間にシワを寄せる氷の魔導士。俺は、そんな彼に自分の推測を話してみることにする。
「もしかしたらあのドラゴン・・・ナツさんのお父さんなのかも」
「何!?」
俺の言葉を聞いて首を捻りこちらを向くグレイさん。彼は当然信じられないといった感じだったが、そう考えると辻褄が合うんだよねぇ。
炎のドラゴンっていうことも、ナツさんと話をしていたということも、アクノロギアと戦っているということも。
「もしそうなら、一体どこから来たってんだよ」
「それをナツさんに確かめようと思って・・・」
どこから来たのかわかれば、ヴァッサボーネにもグランディーネにも会えるかもしれない。その想いでここまでやって来たのだ。
「そうか。なら、俺もついて・・・ん?」
俺の意図を汲み取ったグレイさんが一緒にナツさんを探しに行こうとした時、彼は何かを見つけそちらに歩いていく。
「なんでこんなとこにこんなもんが」
そう言って彼が拾い上げたのは、ナツさんが普段から身に付けているマフラーだった。
「落としたんでしょうか?」
「かもしれねぇな」
実はこのマフラー、ナツさんが冥府の門に捕らえられていた際に奪われてしまったものらしい。それがこの四角い島が破壊されたことで、保管場所からここまで飛んできていたみたいなのだ。
「ったく、大事なもんだって言ってたのにな」
そんなことなど知るよしもない俺とグレイさんは、ナツさんのマフラーを片手に彼のいるところへと歩き出したのであった。
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