第三十四話
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。私とデュエルをしないか、ショウキくん」
ヒースクリフは目を細め、こちらを試すような、計るような挑発的な視線をこちらに送ってくる。
「質問の意味が違う。何でいきなり勝負を挑んでくるんだ?」
「おっと、これは失礼だったね」
少しおどけたようなポーズをとった後、またもシステムメニューを操作してヒースクリフ自身の武器である、盾とその内側に収納されている剣……ユニークスキル《神聖剣》を取り出した。
「君と戦ってみたいという単純な興味だよ。なに、悪い話じゃない。君が勝てば、今回ギルド《COLORS》に払う代金は通常の倍にさせよう」
「……俺が負けた場合は?」
ここで勝った場合ではなく、負けてしまう場合のことを考えてしまうのが人間の性というものだ。
「負けた場合……そうだな。君たちギルド《COLORS》は、全員血盟騎士団に入団してもらう、というのはどうかな?」
――ッ!?
ヒースクリフが発した条件に、圏内ということで案外緩く構えていた俺に電撃が走り、きちんと構えろと身体に警告がはいる。
それはむしろ、俺が勝った場合に得られる報酬のような気がするほどのありえない条件。
血盟騎士団は、少数精鋭がウリの小規模ギルドであるのに、この条件は明らかに不自然である。
……負ける気がしないと思われているからば、心外だが。
「……おっと。誤解しないように言っておくが、これは別に君に負ける気がしないという理由ではない。君たちギルド《COLORS》の戦力はなかなかだからね、むしろギルドに勧誘したい」
俺の心の内を読んだかのように、ヒースクリフは俺の疑問に答えてくれた。
……ここで俺がヒースクリフのデュエルを受け、勝った場合は今日の報酬は二倍となる……それだけのお金さえあれば、新しい装備や転移結晶を用意することで、依頼や攻略などがもっとずっと楽になるだろう。
だが、いくら団長であろうともそんな金を右から左に回せるわけがない為、どっちにせよ、ヒースクリフに負ける気はないのだろう。
逆に、俺が負けてしまった場合には、俺たちギルド《COLORS》のメンバー全員が、血盟騎士団に入ることとなる。
しかし、元々俺たちの目的は間接的ながらも攻略なのだから、新進気鋭の攻略ギルドに入れて悪いわけがない。
なら、俺が取るべき選択は――
「――こうするしかないな」
俺の斜め上に浮かんだ、ヒースクリフから申請されたデュエル申請メッセージ……それを、迷わず俺は『NO』を押した。
デュエルが拒否された旨のシステムメッセージが表示され、ヒースクリフからのデュエル申請メッセージは消え去った。
「悪いけど、俺は今のギルド《COLORS》が好きなんだ。この条件じゃ、勝っても負けてもなん
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