百四 一騎当千
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スだが、直後反論した。
「ですが、このままじゃじり貧です。我々のチャクラが切れたら終わりなんですから」
「それなら問題無い」
同じく、幽霊軍団を蹴散らしていた次郎坊がだしぬけに印を結ぶ。
「【土遁結界・土牢堂無】!」
ドーム状の土壁に何体かの武人を閉じ込める次郎坊。その円形の土壁に片手を添えた次郎坊が、もう片方の手をドスのほうへ伸ばした。
すると減ったはずのドスのチャクラ量がみるみるうちに増えていく。
「これは…っ!?」
「チャクラが無くなりそうになったら敵から吸収すればいいだけの話だ。だが、その間俺自身は無防備になるから、背中は頼んだぞ」
【土遁結界・土牢堂無】は、土の牢獄に相手を閉じ込め、その中にいる敵のチャクラを吸収する術。それを自分のチャクラにするだけではなく、味方に渡す事も出来ないかと次郎坊は試行錯誤したのである。
その結果、両手は使えなくなるが、味方にチャクラを分け与える事が可能となったのだ。
もっともその場合、無防備になってしまう自分を味方に守ってもらわなければならなくなるのが欠点だが。
「ほう…面白い術、持ってんじゃねぇか」
次郎坊とドスのやり取りを目にして、再不斬がにやりと笑う。
チャクラ切れの心配が無い事を知って、思う存分暴れられるな、と彼は更に獰猛な笑みを口許に湛えた。
如何に不死身の幽霊軍団と言えど、その正体は妖魔【魍魎】にチャクラを与えられただけの、おびたたしい数の傀儡人形だ。
一体は生け捕りにしてナルトへの手土産にしてやるか、などと考えているぐらいには再不斬達はこの戦闘を愉しんでいたのだった。
夜の帳が静かに下りる。
いつものように野宿の準備をしていた白と君麻呂が、ナルトにこっそり耳打ちした。
「ナルトくん、足穂さんにはもう帰っていただいたほうが賢明かと…」
「我々だけなら数日走り続けても大丈夫ですが…」
二人のもっとも言い分に、ナルトは薄闇の中、苦笑を返した。
結局、紫苑の主張を聞き入れず、彼女の付き人たる足穂はナルト達の後を追い駆けて来た。
勿論一般人が、忍びであるナルト達の足の速さに敵うはずもない。それでも辛抱強く追って来る足穂の心中を汲んで、ナルト達はあえて足穂が追いつける速度で進んでいた。
もっとも、ナルトが本気を出せば、あっという間に沼の国に辿り着けるのは明白だったが、背中に背負う紫苑の負担を考えての事である。
当の本人たる紫苑は足穂を置いて先を急げ、と息巻いていたが、彼女には彼女なりの思うところがあるのだろうとナルトは察していた。
(だが、そろそろ潮時だな…)
湧水の傍で蹲る紫苑と、それを気遣う足穂に視線を遣り
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