第4話、朝の会議
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ブラウンシュヴァイク公爵家当主の朝のミーティングということで、俺の執務室に六人の側近が集まっていた。
その顔ぶれは、まず首席幕僚にして側近中の側近アンスバッハ准将。軍政から謀略、果ては青年貴族の暴走の尻拭いまで様々な分野で的確な助言をしてくれる。
俺としては最も頼りにしている人物だが、真面目過ぎて面白みのないという重大な欠点もある。
よく車内で二人きりという状況になるのだが、仕事の話しかしないのですぐ会話が途切れる。それから、いや、とにかく仕事では痒いところに手が届く人物だ。
次席幕僚のシュトライト准将。泣く子も黙るブラウンシュヴァイク家の諜報保安本部の長として、情報活動を統括している。
アンスバッハと同様に頼りにしようと思っている人物である。忠誠心から主君の暴走を止めようとする気骨の持ち主だ。
幕僚のフェルナー大佐。シュトライト准将の部下であり、諜報活動のエキスパートだ。
勝手に何かしでかしそうな魔性の雰囲気を感じるが、ついつい新設のラインハルトの監視部門の長を任せるくらいには有能だ。
それからブラウンシュヴァイク家の家宰と首席執事長を兼ねているグライデル男爵。
ブラウンシュヴァイク公爵オットーの子供時代の家庭教師である。時々気さくに爺やとか先生と呼ぶと喜ぶ。
今年六十歳になるグライデル爺さんは、使用人を使って屋敷の管理をする傍ら、領地の経営も監督している。さらにはオーディンにおける政治・・・貴族の社交まで把握するブラウンシュヴァイク家の影の実力者だ。
家宰見習い兼次席執事長のカーソン。老齢のグライデルの後継と目される中年執事。
グライデルとカーソンは意外と幅広い分野で俺を補佐してくれている。会社で言えば総務課と秘書課、内部監査課、海外事業課、取締役員を兼任している。
しかも、二人とも忠誠心は人一倍というから頼りになる。
そして最後に誇らしげに銀河帝国軍予備役大将の軍服を着て、ソファーにふんぞり返って座る爺さん・・・ブラウンシュヴァイク公爵の伯父で一門の最長老ボアテング伯爵である。
今年七十才になるボアテング伯爵は身長百七十センチくらいの細身で白髪の爺さんだ。
ボアテング伯爵は少将の時にヴァルテンベルク艦隊の参謀長をするなど叛乱軍討伐艦隊に数回従軍しているが、そのキャリアのほとんどを軍務省の人事部で過ごしている。
そして、予備役編入後にボアテング伯爵家の家督を継ぐと、主にリヒテンラーデ候との政治闘争を担当してブラウンシュヴァイク家の勢力拡大に貢献した。
そのためかフレーゲル等青年貴族から年寄り貴族まで、幅広い層に一目置かれている。ブラウンシュヴァイク公爵オットーの記憶によると、ボアテング伯爵は数少ない頭の上がらない人物の一人だったようだ。
こう見るとブラウンシュヴァイク公オット
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