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憑依貴族の抗運記
第4話、朝の会議
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らないが、少なくとも死ぬまでアンネローゼさんから移らない。

 そのことを知っている俺としては、ボアテング伯爵の提案に乗るわけにはいかない。

 まあ、異世界の郷に従えと割り切り、人身御供の美少女風成人女性は探すつもりだが、少なくとも俺の対ラインハルト戦略では、アンネローゼさんが皇帝の寵愛を失ってからラインハルトを排除しよう計画の優先順位は低い。

「しかし、伯父上。金髪の孺子は既に宇宙艦隊副司令長官の地位にあります。陛下の気まぐれに頼るだけではとても安心出来ません」

 何度も言うがそれで実際に元帥様になりやがったしな。

「ふん、むしろ能力を越える職や仕事をもっと与てやるといい。大きな失敗をさせて軍から永久に追い出すのだ。まるでフレーゲル等の心配性が本家殿に移ったように思える」

 ボアテング伯が声を少しだけ荒げた。それでもちょっと緊張したが、どうにか冷静さを維持してボアテング伯爵の発言にある案を吟味する。

 仮に宇宙艦隊司令長官ミュッケンベルガー元帥を退任に追い込んだとしよう。後任にはラインハルトを推薦する。

 そして同盟の魔術師がイゼルローン要塞に来襲。哀れ新宇宙艦隊司令長官ともども三長官は全員クビだ。かくして銀河帝国は安定し、俺はゲーム三昧の生活でめでたしめでたしとなる。

 まあ、なかなか悪くない計画だ。とはいえ後任の人材は不足しているし、リヒテンラーデ候も軍務尚書と統帥本部長留任に動くに違いない。肝心のラインハルトだって下野したまま黙ってないだろうが・・・

「伯父上。近年、金髪の孺子を戦場に送り出す前提が無能ゆえに戦死するというものでした。叛乱軍が孺子の家族に配慮して、何度も負けてくれるはずありませんからな。私とてにわかに認め難い話ですが、孺子は自らの能力で元帥の地位を得たのです」

 一応用意していた説得文を最後まで言えたのだが、後半になるに従って声量が小さくなったことは否めない。

 ボアテング伯爵の顔に走るシワに激しい怒気がみなぎっていることに気づき、俺は発言途中に説得の失敗を確信した。

「馬鹿な。金髪の孺子が確かな血筋を引く貴族出身の提督より優秀なわけなかろう。いや、むしろ奴が叛徒共と通じている可能性の方が高い」

 なるほど、自由惑星同盟と結託している証拠をねつ造すれば、ラインハルトに勝てるのか? 成功率は不明だが、伊達に年をとってないなと素直に感心する。

 早速、フェルナー大佐あたりに頼むか・・・

「ボアテング伯爵。ローエングラム伯爵は数多の貴族の監視下にあるのです。もし、その監視網をくぐり抜け、叛乱軍と接触しているならそれこそ危険で優秀な敵の証でしょう」

 アンスバッハがボアテング伯爵の案の穴を指摘する。ボアテング伯爵の顔は赤く染まっている。俺も名案の不備を指摘されて首を振る。

 だがアンスバッハの指摘は正しい。貴
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