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ソードアート・オンライン 幻想の果て
四話 それぞれの生き方
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層が踏破された今ではゲーム開始当初に比べ安全に、かつある程度のゆとりのある生活を営む方法がいくつも確立されつつある。

大半の人間を怯えさせていた死の恐怖。それが遠ざかると彼らは次第にこの世界での生活に馴染みはじめ、現実世界への帰還のため前線で戦っていた勢力の中でもその熱意を失ってしまう者が少なからずいるという。

実際全てのプレイヤーに攻略のため戦うことが義務付けられているわけではない、SAOの世界に閉じ込められた一万人のプレイヤーの中には未だスタート地点である第一層のはじまりの街で外部からの救出をひたすら待ち続けている者すらいるのだ。

考えずにいれば楽だったろうがしかし、彼女は安全圏に居続けこの世界での生活に楽しみすら見出してしまったことに罪悪感を感じずにはいられなかったらしい。アルバがかける言葉を見つけ出せず口を開きかけては閉じ、困った様子で頭をかいていると。

「別に気にすることはないだろ、それくらい」

こともなげにシュウが言い放つ。その台詞が予期せぬものだったらしくリコは目を見開いてシュウの顔を見た。アルバにとっても意表を突かれた発言だったらしく彼もまたシュウに目を移す。二人に視線を集中させられシュウは軽く眉をひそめて居心地悪そうにしながらも言葉を続けた。

「リコが俺達をこの世界に閉じ込めたってわけじゃないんだ、何の責任も無いのに申し訳ないとか思う必要がないだろう。それに――俺や、攻略組の連中だって、多分楽しんでるぞ」

「楽しんで……え?」

「口に出して言うようなやつはそういないだろうけどな、きっと最前線で戦ってるような連中も心のどこかで楽しんでるんだよ、このソードアート・オンラインって世界を。そうでもないのに義務感だとか皆を助けたいだとかなんて気持ちだけで毎日命懸けで身を削るような生活をしていたら、いつか擦り切れる」

だから、とシュウは自分を見上げるリコを真っ直ぐに見返しながら迷い無く言い切る。

「いいんだよ、楽しんだって。ゲームの中だろうと俺達はまだ生きてるんだ、なら楽しみでもないとやってられないだろ」

その言葉をどう受け止めたのか、シュウを見上げたまま呆然と身じろぎ一つしないリコの背中をアルバが掌で軽く叩く。余程気が抜けていたのかびくりと軽く跳ね、目をしばたかせながら首だけ振り向いたリコにアルバがにっかりと笑いかけ、言った。

「そうそ、不謹慎だなんだって言うようなやつが居たって無視しちまっていいさ、辛気臭い面してても攻略が進むわけじゃないんだし。俺もこのゲームわりと楽しんでるぜ?」

「お前は言わなくても分かる。生き生きし過ぎなぐらいだ、少し自重しろ」

「えー、今いいって言ったばっかりじゃねえかよ大体お前だって……」

呆れ顔で言うシュウにアルバがむくれながら言い
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