第二十一話 そして交渉は始まる
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ため、他の貴族達の反発も強い事を理解したうえで内容を飲むことを伝えた。
「我が帝国は一方的な侵略戦争を始めてしまいました。本当に申しわけありません」
ピニャが頭を下げる。これに対して側近のボーゼスとパナッシュの二人は驚く。帝国の交渉は地球で例えればヤクザの恫喝と同じほど完全な強者主義の交渉であるのに、ここまで低姿勢で臨むピニャに対して驚きが隠せなかった。
「姫様!」
「ボーゼス。今回の戦争は帝国に取って非がありすぎる。それを認めずに謝罪しなければ、それこそ帝国皇族として恥だ」
「ですが!」
「姫様が決めた事だ。大人しくするんだボーゼス」
冷静な口調でボーゼスを宥めるパナッシュ。パナッシュに言われてボーゼスも押し黙る。
「ピニャさん。私は現状の帝国を国家として認めていません。何故だがわかりますか?」
「な、何故ですか!?」
「帝国は戦争法を守っていないからです」
前田の言った事に対して本位が呟く。
「アカツキ帝国と日本は世界こそ違いますが、我が国はこの世界に転移する前の世界で戦争に対する取り決めが行われていました。例え戦争が始まったとしても、戦争に関係ない民間人。負傷者、捕虜、文民といった非戦闘員。文化遺産、歴史的建築物、宗教施設、病院、食料工場といった戦争に関係ない破壊や攻撃を禁止しています。これをアカツキ帝国では転移した現在でも厳守しています。無論、全員が守れるとも思っていませんが、この原則を破った兵士に対しては処罰が下されます」
「そ、それが国家として認められない事と関係が……」
「ファルマート大陸に、このような戦争法の概念がありませんから理解に苦しむかも知れませんが、我が国では、この戦争法を厳守しない国は正式な国家として承認していません。本来なら捕虜となる軍人も犯罪者となってしまうからです」
「帝国軍が犯罪者……」
唖然とするピニャだが、それに対して本位が更なる追い打ちをかける。
「ですが、そう思われても仕方ないのです。帝国はアカツキ帝国に対して宣戦布告も無しにアカツキ帝国に対して海軍をアカツキ帝国本国に向けて侵攻しました。そして我が日本に対しても一方的に戦端を開きました。そのせいで我が国に多数の民間人の被害者が出ているのです。無論、我が国の民間人だけでなく、銀座には我が国に観光で来ていた他国の民間人にも犠牲が出ています。我が国に一部ではありますが、帝国に対する過激な報復を望む声があります。そして他国の人間にも我が国も報復に参加させろとの声が日に日に増しています。」
「他の国も……」
これに対して更に頭が痛くなるピニャ。ただでさえ一国で帝国を滅ぼす事が出来るのに、それは日本の世界の他国が帝国に対して報復を望んでいると聞かされて頭
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