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もてないのがいい
4部分:第四章
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第四章

「それは本当か?」
「ああ、それでどうするんだ?」
「書道部の発表とか会場の設置があるよな」
 彼等もわかっていた。それで言ってきたのである。
「だから無理強いはしないけれどな」
「どうするんだ?それで」
「やらせてもらう」
 躊躇なくだ。受けると答えた達央だった。その身さえ乗り出している。
「どっちもな。徹底的にやらせてもらうからな」
「よし、言ったな」
「男に二言はないな」
「ない」
 やはりこう言う彼だった。こうしてだ。
 達央は文化祭の委員も務めることになった。そうしてだ。
 文化祭担当委員の会議にも出席する。その際だ。
 一重の落ち着いた顔立ちに少しふっくらとした頬の、何処か平安朝の雰囲気の女の子、黒髪を肩で切り揃えたその娘を見てだ。達央は始終その目をにこにことさせていた。その彼にだ。
 同じクラスの委員の女の子がだ。呆れた顔で言ってきた。
「ねえ」
「何だ?」
「私はC組の男の子と組むから」
「そうか」
 実に素っ気無い今の達央の返答だった。その間も彼女、花村未来を見ている。
「じゃあそうしてくれ」
「で、、あんたはね」
「俺は花村さんと一緒だな」
 言われる前に言ったのだった。
「そういうことだな」
「話は聞いてるのね」
「悪いな。それじゃあな」
「全く。こうなるとは思ってたけれど」
 彼女は呆れてこう言うだけだった。だが何はともあれだ。
 彼は会議の間ずっと未来を見ていた。そうしてだ。
 文化祭の委員の仕事の間はいつも未来と一緒にいてだ。笑顔でこう言うのだった。
「じゃ、じゃあこの仕事は俺がやるから」
「あっ、そっちは任せて。今行くから」
「何でもいいから言ってくれな。俺がしておくから」
 とにかくだ。彼は未来にべったりで彼女の仕事を率先してやっていた。自分の仕事をしながらだ。
 その彼にだ。また彼のクラスと未来のクラスの女の子が言うのだった。
「今凄く楽しいでしょ」
「充実してるでしょ」
「何でそう言えるんだよ」
 ここでもだ。公になっている事実を否定する彼だった。
「俺は別にな。これといってな」
「これといって?」
「楽しくないとか?」
「仕事だからやってるんだ」
 あくまでこう言うのである。
「それだけだからな」
「まあそう言うのならいいけれど」
「それならね」
 女の子達もわかっているがそれでもだった。彼女達はだ。
 あえてだ。こう彼に言ったのである。
「文化祭ってフリーの娘が彼氏できる時だしね」
「ひょっとしたら未来にも声かける奴いるかもね」
「いるいる、絶対にね」
「それも何人もね」
「そんな奴いたらな」
 また自分から言う達央だった。最早隠している自覚すらない。
「誰であろうが抹殺だ」
「言うわね
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