第43話
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るキーアにロイドがヨアヒムの代わりに説明した。
「ううん、キーアは元気だよ?」
「ふむ………脳にダメージがあるような感じでもなさそうだ。となると……………」
キーアの診断を止めたヨアヒムは頷いた後、目を閉じて考え込んだ。
「………何か見当でも?」
そしてヨアヒムの様子が気になったレンは尋ねた。
「薬物………!?」
「薬で記憶喪失が起きる可能性があるのですか?」
「ああ、そういう症例も数少ないが過去に存在する。薬の成分が、神経系の伝達を副次的に阻害してしまうんだが………ただ多くの場合、心理喪失を伴うことが殆んどみたいでねぇ。キーア君にはそのまま当てにはまらないかもしれない。」
「確かに………心理喪失には程遠いですね。」
「そうね。むしろその逆よね。………………」
「んー?」
ヨアヒムの話を聞いて考え込んでいるロイドとレンが気になったキーアは首を傾げていた。
「ただまあ、薬学の分野もまだまだ発展途中と言える。未知の効果を及ぼす薬物が開発された可能性は否定できない。その意味では、神経系の異常と薬物の副作用の両方の可能性から探ってみるべきかもしれないね。」
「なるほど………あの、こちらで検査を依頼することは可能ですか?」
「ああ、もちろん可能だよ?ただし、時間がかかる上に記憶が取り戻せる保証もない。それで良ければになるけどね。」
「そ、そうですか………」
「………検査をするとなると具体的にはどの程度の期間が?」
ヨアヒムの説明を聞いたロイドは溜息を吐き、レンはヨアヒムに治療期間を訊ねた。
「―――最低でも3日間。できれば1週間ほどは検査入院して欲しい所だね。」
「最低でも3日ですか………」
「薬物に関する検査はそれなりに時間がかかるんだ。体内から排出された成分を化学的方法で調べたりするからね。入院と検査費用に関しては………珍しい症例みたいだからある程度お安くはしておこう。………どうする?」
「………なあ、キーア。3日くらいの間………この病院に泊まらないか?」
ヨアヒムの説明を聞いたロイドは考え込んだ後、キーアを見つめて尋ねた。
「ん〜?べつにいいけどー。」
「ほっ………」
「………問題なさそうね。」
キーアの答えを聞いたロイドとティオは安堵の溜息を吐いたが
「ふむ、それなら早速、検査入院の手続きをしようか。着替えや私物などがあるなら改めて持ってきてもらった方がいいかもしれないね。」
「ええ、それは後ほど改めて用意して持ってきます。」
「ねえねえ、ロイド。ここに泊まるのはいいけど、またいっしょに寝てもいい?」
「えっと………それは……」
キーアに尋ね
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