第43話
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「………それで………キーアちゃんの記憶だったわね。」
「あ、ああ………大体の事情は話した通りさ。この病院にある『神経科』にキーアを見て欲しいんだけど………どの先生に頼めばいいんだ?」
「ふふ、あなた達も面識があったんじゃないかしら?ヨアヒム・ギュンター先生よ。」
「ええっ………あの人が『神経科』の!?」
「………………」
セシルの口から出た意外な人物の名前を聞いたロイドが驚いている中レンは真剣な表情で黙り込んでいた。
「ふふっ、普段は釣り好きで呑気そうな人に見えるけど………ああ見えて、外国の医療機関で凄い研究成果を上げた人らしいの。この病院では『薬学』『神経科』の2部門を取り仕切っているわ。」
「そ、そうなんだ………それじゃあ、キーアの事はあの先生に相談すれば………?」
「ええ、きっと力になってくださるはずよ。さっそく受付に行って問い合わせてもらいましょう。」
その後セシルと共に受付に向かったロイド達は事情を受付嬢に説明し、キーアを診て貰えるか受付嬢に尋ね、受付嬢は通信機で件の医師と通信をした。
「………はい、はい。わかりました。それでは研究室へお通しします。ヨアヒム先生なら丁度時間が空いているそうです。研究棟にある研究室まで直接お越しくださいとのことでした。」
通信を終えた受付嬢は受付に戻ってロイド達に説明し
「そうですか………良かった。」
説明を聞いたロイドは安堵の溜息を吐いた。
「ふふ、それじゃあ私はこのあたりで失礼するわね。」
「うん、ありがとう。帰る時にまた声をかけるよ。」
「ふふ、わかったわ。キーアちゃん、また後でね。」
「うんっ!」
ロイドの言葉に頷いた後キーアに微笑んだセシルは階段を昇って去って行った。
「相変わらず忙しそうね、セシルお姉さん。」
「ふふ、この病院でセシルさんほどの働き者はちょっといませんから………サボりがちな先生方にも見習って欲しいくらいです。」
「はは………(あんまり無理をして欲しくはないんだけど…………)」
セシルの様子を見つめて呟いたレンに続くように答えた受付嬢の話を聞いたロイドは苦笑した。
「そういえば………ヨアヒム先生の研究室はご存知でしたか?研究棟の4階ですけど、よかったら案内しましょうか?」
「いや、多分大丈夫だと思います。よし、それじゃあその先生に会いに行こうか?」
「うん、行こうー!」
その後ロイド達はヨアヒムという医師を訪ねる為に研究棟の4階のヨアヒムがいる部屋に向かった。
〜ウルスラ病院・研究棟〜
「―――失礼します。」
研究棟の4階にある目的の医師の部屋を見つけたロイドはノックを
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