機動戦艦ナデシコ
1372話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
その報告を聞いた時、ヨシサダの顔は文字通りの意味で破顔一笑となった。
「そうですか、それは連合軍としてもありがたいです。それにしても……本当によろしかったのですか?」
笑みを浮かべつつ、それでも申し訳なさそうな顔でヨシサダはエザリアに尋ねる。
まぁ、連合軍にとってはヨシサダが口にしたように最高の話の進み具合だろうが、それだけに疑問を持ってもおかしくないか。
何しろ、木連と連合軍が会談を行うというのだから。
しかも、その流れを整えたのがシャドウミラーで……その上、俺が暗殺されそうになった件の木連に対する貸しを使ってのお膳立てなのだから、ヨシサダにしてみれば出来過ぎているとしか思えないだろう。
実際、俺もエザリアからこの計画を聞かされた時には理解出来なかった。
そもそも、今回ヨシサダを連れてきたのはあくまでもシャドウミラーと木連の交渉の立会人としてだ。
……まぁ、実際には色々と事情もあって、その役目を殆ど果たすことは出来ていなかったが。
それでもヨシサダ本人はシロガネに軟禁状態になっているも関わらず、その生活を楽しんでいた。
それは、世話役兼監視役として付けた量産型Wとの会話でシャドウミラーという組織がどんな組織かを調べていたというのもあるし、部屋自体もシロガネの中では結構上等な部屋で、色々と設備が整っていたというのもある。
データベースとかにも潜れるようになっていて、俺達シャドウミラーが今までどんな世界と交流してきたか、そしてどんな存在と戦ってきたかといった事も調べられるようになっていたのだから、暇をする余裕もなかっただろう。
勿論情報はかなり浅い場所までしか見られないようになっていて、シャドウミラーとして本当に重要な情報は見られないようになっている。
もっとも、ナデシコのルリとオモイカネがいればそんなのは関係なく全ての情報を見られそうな気もするが。
食事も当然シャドウミラーが食べているのと同じ食事を出しているし、午前10時と午後3時のお茶とお菓子まで付いている。
身体を動かしたくなれば量産型Wと一緒ではあるがシロガネの運動場を使う事も出来るのだから、優雅な軟禁生活と呼んでも差し支えないだろう。
その上で連合軍と木連の会談をセッティングしたのを考えれば、ヨシサダにとって幸運としか言えない。
だが、エザリアが言うにはこれがシャドウミラーとして最大の利益になるからという事らしい。
俺の暗殺未遂についてバッタの生産プラントを提供すると言ってきた草壁だったが、エザリアが粘りに粘っても、結局チューリップやヤンマはおろか、カトンボの生産プラント譲渡も拒否されたらしい。
であれば、無理にバッタの生産プラントを貰うよりは木連と地球の関係を修復した方が結果的にシャドウミラーの利益になる、と。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ