第39話
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です。連中が投入してきた軍用犬がいささか厄介ですが………”銀”殿さえいれば、戦力面での不足は補えるかと。」
一方その頃、ツァオは東方風の男から報告を受けていた。
「ふむ、わかりました。市内での体制はこのまま継続。あとはそうですね………アルタイル市に派遣した人員を半分ほど呼び戻してください。」
「承知しました。………”ラギール商会”の方はいかがなさいましょう?今まであちらに対して、まだ何も仕掛けていませんが。」
「あちらに対しては向こうから仕掛けてくるまで放置しておきましょう。下手に藪をつついて、蛇どころか竜を出す訳にはいきませんし………こちらとしても将来的に向こうとは”良い関係”になりたい所ですし。」
「承知しました。それではツァオ様。お休みなさいませ。」
「ええ、お疲れ様。」
「ふう………困りましたね。長老方の助けを借りるのはさすがに後が恐いですし………やれやれ……”銀”殿がもう少し協力的だと助かるんですが。」
東方風の男が去って行くとツァオは溜息を吐いた。するとその時
「……契約分はきちんと働いているつもりだがな。」
何と何もない空間から黒衣の男が現れた!
「おお……いらしてたんですか。いやはや、失言でしたね。」
突然現れた男に気付いたツァオは動じる事もなく、口元に笑みを浮かべて言った。
「フン………わざと聞かせたのだろう?相変わらず喰えない男だ。」
「いやいや、貴方ほどでは。ところで今宵はどのようなご用件で?軍用犬への対処をする気になっていただけましたか?」
「あの程度、お前の部下どもで何とかできるだろう。私が相手をするのはガルシアを始めとするルバーチェの主力のみ………そういう契約だったはずだ。」
「やれやれ、つれないですねぇ。何やら”アルカンシェル”に拘ってらっしゃるようですが………ここの警察はなかなか優秀だ。こちらへの面倒事は困りますよ?」
黒衣の男の言葉を聞いたツァオは溜息を吐いた後、目を細めて男を見つめながら言った。
「クク、心配は無用だ。それよりも………”特務支援課”、どう感じた。」
「ふむ………用件というのは彼らについてでしたか。そうですね―――興味深い若者たちでしたよ。特にリーダーらしき、ロイドさんがいいですねぇ。自分の力不足を痛感しながらもひた向きに前に進もうとする………カンも悪くないようですし、なかなか好みのタイプです。」
「お前の趣味は聞いていない。他のメンバーはどうだ?」
「フフ、これがまたなかなか興味深い面々でして。マクダエル市長のお孫さん………相当な政治センスをお持ちのようで参謀役と言ってもいいでしょう。ユイドラ領主の長女さんは……やはり領主の長女なのか政治や交渉事、それらによってもた
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