第38話
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マクダエル家に入ることで政治家としての道を志した。そして議員になってすぐにこの街の歪んだ現実に気付いた。正義感の強い人だったから何とかしたいと思ったんでしょうね。何年もかけて、粘り強く様々な改革案を打ち出していった。」
「……凄いな。」
エリィの話を聞いていたロイドは口元に笑みを浮かべて感心したが
「ううん……結局、父の改革案は潰された。帝国派、共和国派……どちらから排斥される形で。」
エリィは首を横に振って真剣な表情で答えた。
「信じていた同志に裏切られ、友人を無くし、政敵に嘲られ……祖父もクロスベル市長という中立的立場から父を助けられず………父は……クロスベルそのものに絶望してしまった。そして議員を辞め、妻と別れてカルバードに帰る道を選択した……」
「あ………」
「母は父を引き止められず………かといって、幼い私を連れて父と父が連れて行った幼い姉に付いていく事もできず………そして離婚は成立して……父は幼い姉を連れていなくなってしまった。母は父を恨んだみたいだけど……やっぱり愛していたんでしょうね。父のいないクロスベルに住むのが辛くなってしまったみたいで……親戚のいるエレボニアに幼い私と共に身を寄せてしまった。」
「……………………」
「そして……2人ともやっぱり愛し合っていたんでしょうね。離婚をしても数ヵ月に一度、私達を連れて食事をしていたから。――――でもある日、その事がきっかけで2人は私達を誘拐の魔の手から守る為に私達を逃がして、誘拐犯に殺されてしまった。」
「なっ………!?それでエリィとエリィのお姉さんはどうなったんだ……?」
エリィの話を聞いたロイドは驚いた後尋ね
「……その逃げた先がメンフィル帝国領へと続く関所でね。たまたま慰問に来ていたプリネ姫に事情を話して保護されたの。その時にプリネ姫に嘆願して、父達を助けに行ってもらったんだけど………既に父は事切れ、母は私達に遺言を残した後、事切れたわ。」
「そうだったのか………その……誘拐犯はどうなったんだ?」
「………父達を助けに行った時、プリネ姫やメンフィル兵達によって討ち取られたわ。……後でわかった事だったんだけど、私達を襲った誘拐犯達は大陸中で流行っていた子供達の誘拐犯の組織の一員だったらしいわ。ちなみに、その組織は私達がプリネ姫によって保護され、メンフィル大使館でしばらく過ごしている間に壊滅したそうよ。」
「え……じゃあ、エリィはプリネ姫だけじゃなく、あの”英雄王”にも会った事があるのか?」
「フフ……リウイ陛下だけじゃなく、ペテレーネ様やカーリアン様、ファーミシルス大将軍にシェラ将軍、そしてリフィア殿下にも会った事があるわよ。……しばらくは大使館で過ごしていたんだけど……その時にプリネ姫やリフィア殿
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