第37話
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ろ盾についてくれれば、市長の苦労も少しは減るどころか、クロスベルを変える事だってできるのに。」
「アーネストさん!いくらアーネストさんでもお姉様達を愚弄するのは許しません!それにおじい様はそんな事をお望みではありません!……おじい様はお姉様や私に普通の幸せがあればいいと、願ってくれているのですから。」
溜息を吐いて呟いたアーネストの言葉を聞き、アーネストを睨んで叫んだ後、静かな表情で呟いた。
(え………)
(おいおい……お嬢の姉って貴族の妻なのかよ……しかもあのメンフィル帝国の。)
(……まあ、リウイ陛下が後ろ盾についたら、クロスベルの政治状況はひっくり返るでしょうね……というか下手したらクロスベルがメンフィル領になってしまう可能性もありますし。)
一方エリィの話を聞いたロイドとランディは驚き、ティオは納得した表情になった。
「……すまない。差し出がましい事や酷い事を言って。だが、どうしても見過ごすわけには行かなかった。市長を尊敬する者として……昔から君を見て来た者として。」
「……アーネストさん………」
「もちろん、君の道は君が決めるものではあるが………本当にそれが正しいのか、今一度、考えてみてほしい。」
「……………少し、考えさせてください。みんな、ごめんなさい。……少し疲れたからちょっと自室で休ませて。」
アーネストに問いかけられたエリィは複雑そうな表情で考え込んだ後頷き、ロイド達を見回して言った。
「あ……ああ。」
「エリィさん………」
エリィの話を聞いたロイドは戸惑いながら頷き、セティは心配そうな表情でエリィを見つめた。そしてエリィは支援課のビルの中に入って行った。
「―――君達。いきなり済まなかったね。」
エリィがビルの中へ入って行くのを見届けたアーネストは静かな表情でロイド達を見回して謝罪した。
「……いえ、色々と事情がおありのようですし。」
「ま、あんまりお嬢のこといじめないでやってくれよな。」
「………ですね。わたしたちからエリィさんを奪おうとしているみたいですし。」
「そうだよ〜!エリィさんはあたし達の仲間なのに!」
「……貴女は少し落ち着きなさい、シャマーラ。」
「はは、別にそんなつもりは無かったんだが………ただ君達は、彼女が元々政治家志望なのは知っているかい?」
ロイド達の言葉を聞いたアーネストは苦笑した後尋ねた。
「え……!?」
「おいおい、そうなのかよ!?」
「確かに政治や経済のことにとても詳しいみたいでしたが………」
「ああ、市長の後継者としていずれ政治の道を志すべく、色々と勉強してきたんだ。そのために各国に留学して、深い教養と国際的な政治感覚を養っていたはず
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