機動戦艦ナデシコ
1371話
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いうところの俺の奥襟を取りたいのだろう。
だが、そんな真似を楽にさせる訳もなく、伸ばされた手を掌で叩く。
肉が肉を叩く音……というには、ちょっと甲高過ぎる音が周囲に響く。
その音に驚いたのは、周囲の木連兵士達。
秋山はと言えば、痛みに顔を顰めながらも、俺から距離を取ろうとする。
まぁ、殴るんじゃなくて、叩くだ。どうしても身体の痛覚を刺激する。
純粋なダメージで考えれば、拳の一撃よりダメージは少ない。その代わり、即座に感じる痛みという一点ではこっちの方が上だった。
「ほら、次はこっちから行くぞ」
呟き、床を蹴る。
瞬動の類ではなく、普通に床を蹴ったのだが、それでも今の俺の身体能力を考えれば、秋山にとっては瞬動と大して差はない。
気が付けば自分のすぐ隣に存在していた俺に対し、秋山が取った行動は一旦距離を置く……のではなく、手を伸ばしてくる。
距離を取れば一方的に翻弄されると悟ったのだろう。
その判断は決して間違っている訳ではない。
寧ろ、正しいと言える。
だが……この世界の人間としてならともかく、ネギま世界やFate世界で生身の戦いを繰り広げてきた俺にとっては、蠅が止まっている速度と表現してもいい。
伸ばされた手の手首を掴み、そのまま秋山の力を受け流すようにしながら強引に身体を浮かせ……床へと叩きつける。
床に叩きつける瞬間、先程の円がやったように引っ張って与える衝撃を最小限のものにするが。
「ぐおおっ!」
鈍い音と苦痛の悲鳴を上げながら叫ぶ秋山。
それを見ていた周囲の木連兵士達が、ざわめきと共に俺の方へと視線を向ける。
まさか自分達の上司である秋山が、こうも一方的に倒されるとは思わなかったのだろう。
……いや、違うな。高杉や少数の者達は驚きはしているものの、それでも驚愕という程ではない。
このメンバーの共通点は、笠の男と俺の戦いを見ていた事だった。
さて、これで俺の生身の実力を示せた訳だが……効果はあったか?
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