機動戦艦ナデシコ
1371話
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囲の木連の兵士達が、歓声を上げる。
「うおおおおっ、艦長とアクセル代表の一騎討ち! これは、燃える!」
「確か、ゲキガンガー3にもこういうシーンがあったよな。ほら……」
「あったあった。くううぅっ、燃える! 燃えるぞぉっ!」
「秋山艦長、頑張って下さい! 相手がシャドウミラーの代表だとしても、ここで木連の力を見せつけましょう!」
そんな風に思い切り盛り上がっている中で、美砂は溜息を吐きながら近づいてきた円の方へと視線を向ける。
その円も、既にアーティファクトを解除して普段の姿に戻っている為か、周囲の木連兵士達は顔を赤くしたりはしていない。
いや、普通に美人なだけあって、目を奪われている者は少なからずいるんだけど。
「何? アクセル君が模擬戦するの? ちょっとやり過ぎじゃない? 幾ら何でもアクセル君が出るのは……」
「そうよね。私もそう言ったんだけど、向こうが乗り気なのよ」
「……どうせ美砂の事だから、相手を煽るような事を言ったんでしょ?」
「それは……否定出来ないような、否定したいような……」
二人のやり取りを聞いていた秋山は、寧ろそれで余計にやる気になったらしい。
目に獰猛な光を宿らせ、俺へ話し掛けてくる。
「アクセル代表、こちらとしても本気で挑ませて貰います」
どうやら、もう断る事は出来ないらしい。
いや、向こうに俺の実力を見せつけるという意味では、寧ろ願ったり叶ったりと言えなくもないか?
「分かった。お互い責任のある立場だ。あくまでも模擬戦だというのを了承した上で、決してやり過ぎないようにという事でどうだ?」
秋山が俺の言葉に頷き、2人揃って戦いの舞台となる場所へと向かう。
いや、舞台って言っても、特に何がある訳じゃないけどな。
この運動場の中央で向かい合うだけだし。
さっきの円の背負い投げの時も思ったが、出来れば下は板じゃなくて畳とかにして欲しい。
……ああ、でも木星だと木材を得るにも一苦労するのか。
いや、一苦労するも何も、そもそもどうやって木材を入手するんだ?
考えられるのは、やはり月と火星から逃げ出した時に持ってきた木か種か苗を繁殖させたとか、そういう事なんだろう。
そんな風に考えている間に、秋山が身体を解すストレッチを終えて俺と向かい合う。
「アクセル代表は身体を解さなくていいのですかな?」
「ああ、問題ない」
「ほう、随分と甘く見られたものですな。では、その余裕を崩して見せましょう!」
そう叫ぶと、秋山は真っ直ぐに俺の方へと向かって突っ込んで来る。
その速度は高杉に比べると決して早いとは言えない。
だがそれでも、身体の動かし方という一点においては高杉を上回っているように思えた。
伸ばされる手は、柔道で
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