機動戦艦ナデシコ
1371話
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向いているんだから。……何より、円だけじゃなくて美砂までアーティファクトを使ったら、木連の兵士達が鼻血で出血多量になって死にかねない」
「……アクセル代表。今の話からすると、もしかして彼女も?」
豪快な性格をしているように見える秋山だったが、今俺の方へと尋ねてきた様子はどこか恐る恐るといったものに近い。
「ああ。純粋な戦闘力だと円には及ばないけど、誰かの補助に回れば、その能力を何倍にも……下手をすれば何十倍、何百倍にも高める能力を持っている」
歌を聞いた相手に対して強制的に補助効果を発揮させるという美砂のアーティファクト、セイレーンの瞳は、単純な攻撃力という意味では円の純炎の涙には遠く及ばない。
だが、戦っている相手の聴覚を奪ったり、もしくは歌声を聞かないように両手で耳を塞がせ、両手を使えなくするといった行為は非常に嫌らしい攻撃と言えるだろう。
何より、敵が多ければ多い程一気にそのセイレーンの瞳の効果範囲に巻き込む事が可能だというのは、敵が多い程にセイレーンの瞳の凶悪さが剥き出しになる。
その辺の説明をしてやると、秋山の顔が引き攣るのが分かった。
うん、まぁ、その気持ちは分からなくもない。
ただ、欠点もあったりするんだけどな。
最初から美砂が相手になると知っていれば、機械的な意味での耳栓をしていれば殆ど無意味になるし。
一度機械を通してしまえばセイレーンの瞳の効果はなくなるから、それこそPTを始めとする何らかの機体に乗っている相手に対しては無意味なんだよな。
機械を通しても相手に効果があるのであれば、シロガネのオペレーターをやっている美砂は戦闘が開始されたら通信で敵に対して物凄い切り札を発揮出来るだろう。
機械を通すと駄目っていうのは、俺の気配遮断と似たようなものだ。
そんな風に思っていると、まさか俺のそんな考えを読んだ訳ではないだろうが、秋山が口を開く。
「アクセル代表。高杉から聞いた話では、木連式抜刀術の使い手に……それもかなりの使い手と思われる相手を子供扱いしたとか。もしよければ、そんなアクセル代表の力を見せて貰えませんか?」
「アクセル君の力!? ……うわぁ、えっと、秋山さんだったわよね。それは止めておいた方がいいと思うわよ? 円を相手にするならまだしも、アクセル君を相手にするなんて……自殺行為以外のなにものでもないわ」
慌てたように美砂が告げるが、そこまで人を化け物扱いしなくても……いや、決して間違ってる訳じゃないんだけど。
だが、そんな美砂の言葉は、寧ろ秋山の興味を引いたらしく……
「ほう、アクセル代表はそこまでの強さを持っているのか。男として、強い相手と戦うのは寧ろ本懐! どれ、試させて貰おうか。……どうですか?」
俺と秋山、美砂の話を聞いていた周
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