機動戦艦ナデシコ
1371話
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、一気に高杉へと向かって歩み始める。
純炎の涙を使うまでもないと判断したのか、特に空中を浮かぶ様子も見せずに距離を縮め……
「はあああぁっ!」
やがて、近づいてくる円の存在に耐えきれなくなったのか、高杉が一気に前に出る。
火事場の馬鹿力と呼ぶべきか、少し前まで見せていた戸惑いや恥じらいといったものはない。
お互いが前に出た以上、当然のようにお互いの距離は縮んでいき……
そして、当然のように最初に自分の攻撃の間合いに相手を捉えたのは、身長が高い分手足が長く、攻撃の間合いが広い高杉だった。
伸ばされた手は、拳を握るのではなく掌底の形となっている。
円を殴るよりはマシだと考えたんだろうが……そもそも掌底ってのは内部破壊に向いている技術だから、そういう意味だと拳で殴るよりも酷い気がするな。
……まぁ、当たればだが。
元々の運動能力が違い過ぎるためだろう。高杉が伸ばした手は、あっさりと円に回避される。
それどころか、円がそのまま高杉の伸ばした手を掴み、その勢いを利用して背負い投げを仕掛ける。
「やぁっ!」
掛け声はそんなに迫力があるとはいえないだろうものだった。
だが、円はネギま世界の拳闘士としてそれなりに名前が知られた人物だ。
特に美砂と組んで有名になった時の戦闘スタイルは、美砂が後方からセイレーンの瞳を使っての援護を行い、円が前線で敵と直接戦うという戦闘スタイル。
当然魔法界の拳闘士を相手に幾多もの戦闘経験がある円の背負い投げにしても、高杉が多少暴れたくらいでどうにかなる筈もなく……
床へと叩きつけられる音が周囲に響く。
だが、激しい音を立てた割りには、高杉はすぐに立ち上がる。
恐らく床に叩きつける瞬間に少しだけ持ち上げ、衝撃の殆どを殺してやったのだろう。
もし円が本気で床に高杉を叩きつけていれば、今頃背骨くらいは普通にへし折れていただろうし。
まさか親善試合で相手を半身不随にしかねないような真似を出来る筈もない。
それに円は元々生真面目だし、そう考えればこの結果は当然の結末なのだろう。
向こうにとっても、怪我をしないという意味では最善の結果だった筈だ。
……まぁ、身体的な怪我はなくても、精神的なダメージは大きそうだが。
木連でも上位の強さを持つと言われている高杉が、文字通りの意味で手も足も出ずに倒されたのだ。
当然そうなれば、プライド的な意味ではズタボロだろう。
それでも戦った相手が円で、ああいう姿をしているとなれば話は別だって事になりそうだが。
「ねぇ、アクセル君。私も戦ってみた方がいい?」
首を傾げた美砂が尋ねてくるが、俺はそれに首を横に振る。
「止めておいた方がいいだろ。円は直接攻撃に向いているけど、美砂の場合は補助に
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