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ハイスクールD×D 新訳 更新停止
第6章
体育館裏のホーリー
第109話 交流戦、始まります!
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砕き、その拳はゼファードル・グラシャラボラスの溝内へと鋭く打ち込まれる!
 その一撃によってゼファードル・グラシャラボラスは意識を失い、ゲームは終了となった。

『…………』

 誰も何も言えず、部室内は静まりかえってしまう。
 皆、圧倒されているのだ。サイラオーグ・バアルと言う男の力に。
 何より驚異的なのは、その力を己の肉体一つで実現させている事だ。

「……これが若手悪魔ランキング一位の力か…」

ようやく、木場が言葉を発する。

「……相手のゼファードルも代理とは言え、決して弱い訳ではないのだけど…」

 それでも、そんな事など関係無い程の実力があの男にはあった。

「ところで部長、代理って?」
「グラシャラボラス家の本来の次期当主が事故死したのよ」

 それであいつが次の次期当主になったって事か。

「サイラオーグもそうだけど、今は目の前の相手の事を考えないとね」

 目の前の相手、ディオドラ・アスタロトか。

「実はこの交流戦前にアガレスとアスタロトがお家同士の交流でレーティングゲームを行ったのよ」

 そう言い、部長は別の記録映像を取り出す。

 パァァァァァ。

 突然、部室に転移用魔法陣が展開された!

「……アスタロト」

 部長が魔法陣の紋様を見て、その名を口にする。
 魔法陣から爽やかな笑顔を浮かべる優男が現れる。

「ごきげんよう、皆さん。ディオドラ・アスタロトです」

 現れた男、ディオドラ・アスタロトは開口一番にそう言う。


ー○●○ー


 部長とディオドラは対面に座り、眷属の皆は部長の背後、眷属じゃない俺達は部室の片隅で待機していた。
 副部長がディオドラにお茶を淹れるが、ディオドラはそれに目もくれず、部長の背後…アーシアの事をジッと見ていた。
 アーシアはディオドラが現れてから不安そうな様子を見せていたが、イッセーが手を握る事で不安な様子は消えていった。
 それを見て、ディオドラは一瞬だけ目線を鋭くするが、すぐに柔和な笑みを受けべて部長と対峙する。

「単刀直入に言います。『僧侶(ビショップ)』のトレードをお願いしたいのです」

 やっぱりそれか。奴がここに来る理由なんてアーシアの事だけだろうからな。

「いやん!僕の事ですか!?」
「訳ないだろ」

 『僧侶(ビショップ)』と聞いて、ギャスパーが身を守る仕草をするが、イッセーに頭を小突かれる。

「……お望みはアーシアでしょ?」
「フフ。流石に話が早い。悪い取り引きではありませんよ。なにしろ、こちらが用意するのは…」
「悪いけど、その気は無いわ」

 ディオドラが自分の提供する眷属を紹介しようとするが、それをされる前に部長がトレードを断る
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