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第三十一話 自由惑星同盟は変わります。
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していなかった。これは数年どころか、数十年帝国との戦争を断念して負債の返還に専念せねば返済できない額だったのである。

「なら仕方がないわね」

 シャロンはあっさりと言った。ちまちまとした返還案を構築していても、とてもうまくいくとは思えません、とティファニーも言った。

「ならば、答えはおのずと出るわ。ティファニー」

 シャロンがあっさりと言ったことと、その次の段階を早くも考えていることにティファニーは戸惑った。

『答えですか?・・・申し訳ありません、私には・・・・』
「フェザーンを消滅させることよ」
『は!?』

 ティファニーは自分の耳が信じられなかった。シャロンは今何と言ったのか。フェザーンを制圧するのではなく、消滅させると言ったのである。

「跡形もなく吹き飛ばすと私は言ったのよ。債権者が全滅すれば、債務は払わなくてもいいのでしょう?」
『し、し、しかし、そんな暴論は――』
「人を一人殺すのも、何十億も殺すのも、そうたいして違いはないでしょう。銀河帝国ができあがった当時に3,000億人いた人口、今何人いると思っているの?それにルドルフ大帝やその子孫が劣悪遺伝子排除法や不満分子排除の名目で殺しつくした人々は数十億人じゃなかった?」
「・・・・・・・」
「自由惑星同盟領内で取引が完遂できれば、わざわざ外部資本を引き入れる必要性などないわ。考えてみなさいティファニー。自由惑星同盟自体が多民族国家と言ってもいいのよ。各星系によって算出できる資源も異なれば、得意とする産業も違っているわ。そして反対にそれらを必要とする星系も当然いる。需要と供給が既に自由惑星同盟内では発生しているのよ」

 シャロンのこの考えにはある原作の動きが絡んでいる。すなわち、自由惑星同盟の帝国領内への大規模な出兵についてだ。地球教徒がバックについているフェザーン側としては、長期間双方を争わせ、弱ったところを漁夫の利を狙うというのが基本構想だったし、だからこそ長年それを取ってきた。それが自由惑星同盟の帝国領内侵攻作戦について、あえて異を唱えなかった。このような空前の大兵力同士がぶつかれば、双方ともに取り返しのつかない損害を受け、戦争どころではない。それ以上に経済は長期間疲弊してしまう。そのダメージは漁夫の利を取ろうとするフェザーンにも跳ね返って来るはずだ。自由惑星同盟への巨額の債権を持つフェザーンの政財界、そして軍部までの発言権は強い。できなかったとは考えられない。

 なぜか。

 それはつまり、パワーオブバランスをもってしても、市場の縮小が食い止められないところまで来ていたということだろう。年々人口は減少する。人口が減少すれば、取引も減る。つまりは、戦乱による人口の減少がフェザーンの政策ではカヴァーしきれないほど経済にマイナスを
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