第35話
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な……!?」
「だったらどうして……」
ダドリーの話を聞いたロイドは驚き、ティオは真剣な表情でダドリーを睨んだ。
「フン……あの程度で動いていてはキリが無いというだけだ。殺人が起こったわけでもないし、ただの小さなイザコザにすぎん。どうして他の重要案件を後回しにして限りある人員を割かなくてはならん?」
(……小を捨て、大を取るやり方か……)
(そんな事だろうと思ったわ………一課のやり方は全然変わっていないわね………まあ、それしか方法が無いのは理解しているけど。)
ダドリーの説明を聞いたラグタスは重々しい様子を纏わせて呟き、ルファディエルは納得した様子で呟いた後、呆れた表情をした。
「そ、そうは言っても……!」
「民が傷ついているんですよ!?」
一方ロイドとエリナは怒りの表情でダドリーを睨んだ。
「―――我々捜査一課はお前達のようなボンクラとは違う。この正義が守り切れない街で一定以上の秩序を保ち続けること……殺人などの重犯罪を抑止し、犯罪組織や外国の諜報機関から可能な限り人と社会を守る事………その苦労がお前達にわかるのか?」
「!?」
「やはり……そうなんですね。クロスベルの平和と繁栄は………薄皮一枚の上で成り立っている。」
しかしダドリーの話を聞いて驚き、エリィは溜息を吐いた後複雑そうな表情をした。
「フン、市民の大半はその事実に気付いていないがな。”ルバーチェ”が帝国派議員と結びついている話は有名だが………あの”黒月”にしたところで共和国派議員と関係を深めている。”ラギール商会”はメンフィル帝国の保護がある。その時点で、直接手を出すのはどれも不可能になってしまっている。それだけではない………スパイを取り締まれる法律がないから外国の諜報員なども入りたい放題だ。」
「「……そんな………」」
「……信じられません。」
「なんつーか………末期状態かもしれねぇな。」
「ええ……よくその状態で今まで一定の平和を保ってこれましたね……」
「そうだよね……」
ダドリーの説明を聞いたロイドとエリナ、ティオは信じられない表情をし、ランディとセティは溜息を吐き、2人の言葉にシャマーラは複雑そうな表情で頷いた。
「……………………」
一方エリィは複雑そうな表情で黙って考え込んでいた。
「だが、そんな絶望的な状況でも我々はやれることをやるだけだ。全ての案件の危険度を査定し、たとえ根本的に解決できなくても抑止できるように働きかける………”銀”の問題もその一環にすぎん。」
「え………」
「アルカンシェルの一件についてはこちらの目が行き届いていなかった。情報提供に感謝する。あとは一課が引き継ぐからお前達は通常業務に戻るがいい。」
「な…
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