第32話
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」
「けど、いきなり訪ねても大丈夫かな〜?さっきのルバーチェと違って相手の事が全然わからないし。」
ロイドの話を聞いたエリィは考え込み、ティオは納得した様子で頷き、シャマーラは首を傾げていた。
「ふむ………”黒月貿易公司”の支社長だが実はこの前、会ったばかりでね。」
するとその時イアンが意外な事を口にし
「え……!?」
「本当ですか……!?」
イアンの言葉を聞いたロイドとエリィは仲間達と共に驚いた。
「クロスベルでの商取引について法的に問題ないか監査を依頼してきたんだ。違法なところは無かったから結局、引き受ける事になったが………その時に、その支社長と会ったんだ。」
「そ、そうだったんですか……」
「……その……どういった人物でしたか?」
「ふむ……一言で言うと『キレ者』だね。まだ若いのに、飄々とした言動で相手を絡め取っていくというか……とにかく一筋縄ではいかない頭脳の持ち主だと感じさせられたよ。」
「頭脳派、ですか。」
「なかなか厄介そうな相手だな。そんなキレ者にわざわざ面会を申し込むのか?いっそここはルファディエル姐さんに任せてみたらどうだ?同じ頭脳派同士、対抗できるかもしれねぇし。」
イアンの話を聞いたティオは呟き、ランディは疲れた表情で溜息を吐いた後提案し
「いや……難しいかもしれないからと言って、ルファ姉を頼りにするのは間違っているよ。それにせっかくの口実もある事だしね。どうかな?」
ランディの提案を聞いたロイドは首を横に振った後、仲間達に尋ねた。
「ハッ……面白そうじゃねぇか。」
「わたしも……少し興味があります。」
「私も”ルバーチェ”についてはある程度は知識があるけど”黒月”はほとんど知らないから……確かにいい機会かもしれないわ。」
「決まりだな。……っと、そうだ。先生、ちなみに確認しておきたいのですけど、”ラギール商会”に”銀”に関する心当たりはありませんか?」
ランディやティオ、エリィの様子を見たロイドはイアンに尋ね
「”ラギール商会”で”銀”に関する事か…………う〜む、さすがにそれはありえないとは思うが……」
尋ねられたイアンは考え込み
(ま、まさか……)
(………エリザベッタさんの事……でしょうね。)
(あはは〜………あの人の髪の色って、見事な銀色だもんね……)
話を聞いていたセティ、エリナ、シャマーラはそれぞれ冷や汗をかいていた。
「何か心当たりがあるのですか?」
一方セティ達の様子に気付いていないエリィはイアンに尋ねた。
「ああ。……実は”ラギール商会”の店長にもクロスベルでの商取引について法的に問題ないか監査を依頼してきてね……そちらも違法なと
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