第32話
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ない………そんな亡霊のような存在として噂されているみたいだね。」
「亡霊………」
「ずいぶんと荒唐無稽な話だな………」
「なるほど………だから都市伝説ですか。ですが、その伝説の資格がどうしてイリアさんに脅迫状を?」
イアンの説明を聞いたロイドは呆け、ランディは目を細め、ティオは納得した様子で頷いた後尋ねた。
「………そうね。すぐには繋がらないけれど………もしかして………”黒月”?」
一方エリィは考え込んだ後すぐにある事に気付いてロイドに視線を向け
「ああ………俺もそれは思った。」
視線を向けられたロイドは頷いた。
「ふむ………確かに”黒月”はカルバードの東方人街に一大勢力を構えている組織だ。伝説の凶手と何らかの関係があっても不思議ではないが………」
「なるほど………あの若頭が反応した理由が何となく見えて来たな。”ルバーチェ”と”黒月”は現在、この街で対立している………その”黒月”と”銀”ってのが結びついているとしたら………」
「ルバーチェと無関係でありながら彼らが強く意識している存在―――ロイドさんの推測を裏付ける事にはなりそうですね。」
イアンが考え込んでいる中、ランディとティオはそれぞれ考えた事を言った。
「ふむ………興味深いな。しかし―――その”銀”がどうしてアルカンシェルの大スター、イリア・プラティエを脅すのかね?」
「それは………確かにそうですね。」
「イリアさんとルバーチェの会長が酒の席でトラブルを起こした件………それが関係している話の可能性は?」
そしてイアンに尋ねられたロイドは考え込みながら頷き、セティは自分の推測を言ったが
「ううん………どうやら大した話ではなかったみたいだし………ルバーチェの対立相手が彼女を脅す理由にはならないわ。」
エリィは首を横に振って答えた後、真剣な表情で言った。
「だな………となると、脅迫状の”銀”ってのは全くの別人って考えた方がいいのかね?」
「いや………これだけ符号が揃っているんだ。全く関係がないと切り捨てるのは早計だろう。―――なあ、みんな。さっきの今で何だけど………一度、”黒月”も訪ねてみないか?」
そしてランディの話を聞いたロイドは答えた後、意外な提案をした。
「ええっ!?」
「おいおい……またしてもいきなりだな。」
「考えてもみてくれ。あの”ルバーチェ”に警戒されているほどの勢力だ。そんな相手がこの街に進出して裏社会の覇権を奪おうとしている………場合によっては、ルバーチェより危険な組織かもしれない。」
驚いているエリィ達にロイドは説明し
「それは………」
「……なるほど。これを機会に確かめるわけですね。
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