第30話
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れた劇団長は答えた後言葉を濁した。
「気になる事………?」
「………差出人の名前ですね?」
劇団長の言葉を聞いたティオは不思議そうな表情をし、セティは真剣な表情で尋ねた。
「ああ、そうなんだ。今まで送られてきた脅迫文は無記名が殆どだったんだが………」
「それが今回は”銀”という思わせぶりな名前が書かれていて………ただのイタズラとは思えない感じがするんです………」
「う〜ん………気のせいだと思うんけどねぇ。」
「ふむ………皆さん、”銀”という名前に何か心当たりはないんですか?」
劇団長達の話を聞いたロイドは考え込んだ後尋ねた。
「まったくもって無いわね。そもそも人の名前なの、それ?」
「何かの暗号とかそんな感じはしますけど………」
「うーん、ウチの新作のタイトルに『銀』という言葉は入っているが………そのくらいだねぇ、心当たりは。」
「そうですか………」
ロイドの疑問にそれぞれ首を傾げながら答えたイリア達の話を聞いたエリィは頷き
「では………それ以外の心当たりはありませんか?失礼かと思いますが、最近、誰かの恨みを買うような事があったりしたとか。」
ロイドは再び質問をした。
「そ、それは………」
「うーん、まさかねぇ。」
するとリーシャは目を逸らし、劇団長は考え込んだ。
「あら………?あなたたち、誰かに恨まれる心当たりなんてあるの?」
2人の様子に気付いたイリアが尋ねたその時、2人は脱力し
「あ、あのねぇ………」
「私達ではなくて………イリアさんの話ですよ。ほら、つい先日、例の会長さんのことを………」
劇団長は呆れ、リーシャはある事を言った。
「ああ、あのハゲオヤジの事か。あまりにどうでもいいからすっかり忘れてたわ。」
リーシャの話を聞いて答えたイリアの話を聞いたその場にいる全員は冷や汗をかいた。
「そのハゲオヤジというのは………?」
そしてティオがイリアに尋ね
「ああ、マルコーニっていう脂ぎったハゲオヤジのことよ。”ルバーチェ商会”っていうゴロツキどもを使ってるっていう。」
「え………!?」
「ルバーチェ商会………!」
「その名前が出るかよ………」
「…………………」
尋ねられて答えたイリアの説明を聞き、ロイド、エリィ、ランディは表情を厳しくし、ルファディエルは黙って考え込んだ。
「なに、どうしたの?」
「い、いえ………最近よく聞く名前なので。それでその………ルバーチェ商会の会長とはどういう経緯で?」
「よく接待かなんかでウチに客を連れてくるのよ。いつも貴賓席を使っているから相当、羽振りはいいんでしょうけど、舞台とかには全然興味ないみたいね
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