第29話
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んまり鼻の下伸ばしていると、相談が取り下げられるよ〜?」
ランディの様子を見たティオは注意し、シャマーラはからかうような表情でランディを見つめた。
「その、さすがに有名人ですから名前くらいは知っていますが………しかし………その彼女あてに脅迫状が?」
「はい………本人はただのイタズラだと言ってますけど………ちょっと不気味な文面で………ただのイタズラには思えなくって。それで劇団長とも話し合ってとにかく警察に相談してみようって。」
「……脅迫状の現物はどちらに?」
リーシャの話を聞いたエリィは真剣な表情で尋ねた。
「その………イリアさん自身が持っています。すぐに捨てようとしていた所を何とか止めはしたんですけど………」
「そうなると、まずはその脅迫状を見せてもらう必要がありますね……そういえば………リーシャさんと言いましたか。当然、”アルカンシェル”の関係者なんですよね?」
「あ、はい。一応アーティストの一人です。その………まだまだ新米なんですけど。」
「って、ああ!」
ロイドとリーシャが会話をしていたその時、ランディは驚きの表情で声を上げた。
「な、何だよ、さっきから。」
「………依頼者の方に失礼ですよ。」
ランディの様子にロイドは不思議そうな表情で見つめ、エリナは静かな表情で注意した。
「君の顔、新作の特集ページで見かけたことがあるぜ!イリア演じる”太陽の姫”と対になる”月の姫”を演じる準主役………イリア・プラティエが大抜擢した彗星のごとく現れた大型新人って!」
「そ、そんな、大型新人なんて。まだまだ稽古不足で………足を引っ張ってばかりなんです。本当はデビューなんて早いと思ってるんですけど………」
ランディに言われたリーシャは苦笑した後、複雑そうな表情で考え込んだ。
「ふふっ、それでも凄いですよ。あのアルカンシェルに採用されてデビューするんですから。」
「ええ………謙遜する事なんて、ないと思いますよ。」
リーシャの様子を見たエリィとセティは微笑みながら言った。
「ううっ………」
2人の言葉を聞いたリーシャは複雑そうな表情で唸った。
「はは………大体わかりました。しかし話を聞いているとイリアさん本人は、この件について乗り気ではないみたいですね?」
「はい………とにかく今は、舞台の完成度を高めたいから外部の人間は入れたくないって………特にその………警察なんか言語道断だって………」
ロイドに尋ねられたリーシャが申し訳なさそうな表情で答えたその時、ロイド達は冷や汗をかいた。
「えっと………」
「それではわたしたちも出る幕など無いのでは………?」
そしてロイドは言いにくそうな表情をし、ティオはジト目でリ
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