2章〜金の太陽、銀の月〜 外伝〜金の姫、銀の姫。戦妃と聖霊の来訪
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たガルシアは真剣な表情で言った。
「グフフ……お前を翻弄したという刺客と、正面からの戦いでお前に膝をつかせたという子供か。百戦錬磨の元猟兵をあしらったり膝をつかせるとは、相当の手練共のようだな。ツァオとチキもさぞ大枚を叩いた事だろう。」
「か、会長……!」
余裕の笑みを浮かべて語るマルコーニの話を聞いたガルシアは慌てた様子でマルコーニを見つめた。
「まあ、そう心配せずとも”黒月”と”ラギール商会”への対策はしておるさ。軍用犬の目処も付いたし、今後は遅れを取ることもなかろう。―――それより問題は来月に迫った”競売会”だ。」
「!ええ、心得ております。」
「いかに奴らが調子に乗ろうと今年の”競売会”だけは邪魔されるわけにはいかん………警察とギルドは放っておけ。どうせ両方とも手出しはできん。くれぐれも”黒月”と”ラギール商会”に………その刺客と売り子とやらに邪魔されぬよう、万全の体制を敷いておくのだぞ!」
「承知しました……!」
そしてマルコーニの指示にガルシアは力強く頷いた。
〜アルカンシェル〜
一方その頃踊り子のような衣装を着た紫髪の娘が舞台で一人、踊りの練習をしていた。
「はあっ、はあっ、はあっ…………よかった、何とかここまでは………」
練習を一端止めた娘は息を切らせた後安堵の溜息を吐いた。すると
「うんうん、いいわね。」
拍手と賞賛の言葉共に金髪の女性が近づいてきた。
「イ、イリアさん……」
女性―――イリアを見た娘は驚き
「スピードとタイミングは良いわ。後は節目節目で抑揚を付ける事。音楽に乗るんじゃなくて踊りと演技で音楽を支配なさい。あくまで静かに、清らかに………”月の姫”ならではの威厳をもって。」
「は、はい……ぁ………」
イリアの助言に嬉しそうな様子で頷いた娘は地面に膝をついた。
「だらしがないわねぇ………と言いたいところだけど。正直、驚いているわ。今まで誰一人、あたしの稽古に付いてこられる人間はいなかったから。うんうん、良く頑張ってるじゃない♪」
「イリア、さん………でも私………やっぱり不安で。本番でイリアさんの足を引っ張ったらどうしようって………」
「大丈夫、あんたには素養があるわ。それこそ将来あたしを、このイリア・プラティエを超えられる可能性を持っている。あたしの目を信じなさいってーの!」
「な、なんだか全然実感が湧かないっていうか………イリアさんを超えるなんてそんなの無理に決まってますよ。」
笑顔のイリアの言葉を聞いた娘は冷や汗をかきながら、苦笑した。
「フフン、まああたしも簡単には抜かれるつもりはないし。だから一刻も早くあたしのいる所まで上がってきなさい。あ
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