機動戦艦ナデシコ
1370話
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は侵入者に持ち去られたようで」
「うん? ちょっと待て。じゃあ、木連としては笠の男の死亡を確認した訳ではないのか?」
「直接は見ておりませんが、監視カメラには残っていました。首を斬り裂かれるところが生々しく」
監視カメラに映像が残っていたとなれば、やっぱり死んだのは確実か。
けど……
「生きてる人間だけならともかく、死体を持って見つからずに逃げ去る? そんな事が出来るのか?」
「やられた以上は出来る、としか私からは言えません」
だろうな。出し抜かれたのだから、そう言うしかないか。
「では、草壁中将。その映像データをこちらにも貰えますか? 一応検証してみたいので」
「……検証、ですか」
エザリアの言葉に、少しだけだが草壁の眉が顰められる。
「それは、私達木連を信用していないと?」
「別にそうは言いません。ですが、木連では気が付けなかった事でも、シャドウミラーなら気が付けるとは思いませんか? 技術力の違いというのは、こういうところで如実に現れるものですし」
「ですが、それでは私はともかく、今回の件に関わっていた者達が納得出来ないかと。出来れば、こちらを信用して貰いたいのですが」
……何だ? 何でこうも映像データを渡すのを嫌がる?
映像データは、ただ1つのものではない。それこそ、コピーしようと思えば簡単にコピー出来る代物だ。
だとすれば、向こうにそれを拒むような理由なんかはないと思うんだが。
草壁が理由にしている、今回の件に関わった者が納得出来ないという理由にしても、何らかの情報を少しでも見つける為には、そこまで拘る事じゃないと思う。
断言出来ないのは、木連はヤマダモドキが大勢いる為だ。
ヤマダモドキのメンタリティは、時に俺の予想を容易に超える。しかも斜め上の方向に。
だとすれば、自分達の仕事が信じられないという思いから暴発してしまってもおかしくはない。
それこそ昨日の再現なんて真似になれば、草壁としても頭が痛いだろうし。
だが、俺達がそこに腐心してやる必要はない訳で……
「草壁、何故そうまで映像データをこっちに引き渡すのを嫌がる? 何か見られては困るようなものでもあるのか?」
「……それは……」
言葉に詰まるとなると、もしかして本当に何か見られたら困るようなものがあるのか?
そんな俺の疑問を読み取ったかのように、草壁は口を開く。
「実は、笠の男が殺された映像を見た者がその映像データを消してしまい……」
言いにくそうにしているその言葉だったが、到底見過ごせるものではない。
「つまり、笠の男の仲間がいたって事か?」
「いえ、違います。人が直接殺された光景を見た男がショックを受けて発作的に……というのが正しいかと」
「……発
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