暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX−音速の機械戦士−
―卒業デュエル―
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したてながら、明日香はデッキケースから一枚のカードを取り出した。それは彼女自身のナンバーズ、《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》。それを彼女は決意を秘めた表情で見つめると、こちらにも見えるように掲げてみせた。

「《ダークネス》に負けない。その決意に、大きい目標を持つことにしたの」

 彼女が《ダークネス》との戦いで手に入れた、彼女自身の力――《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》にその決意を込めて、明日香は夢を叶えるために戦っているのだろう。万丈目は先のエドとのデュエルで、今からプロデュエリストの道が開けているらしいし、他のみんなもそれぞれの夢を持っているのだろう。

 俺の夢は、果たして。

「明日香――」

 どうしても夢は浮かばない。彼女に何か相談しようとしたところ、またもや自習室の扉が開いた。そこには、もはや珍しくなった真紅の制服の姿があり。

「あら十代。あなたもクロノス先生探し?」

「……ああ。剣山に頼まれてな」

 最近は授業をいつもの崖で寝転んで過ごしているらしい十代が、あくびをかみ殺しながら部屋中を見渡した。特にやることもないのか剣山の頼みを聞いているようで、この自習室にいないことが分かると、すぐさまどこかに立ち去ろうとしていく。

「十代、ちょっと待ってくれ」

 そんな十代の後ろ姿に声をかけながら、俺も明日香を倣ってデッキケースから一枚のカードを取り出した。もちろん先の明日香のような決意表明ではなく、《潜入! スパイ・ヒーロー》という、十代が使っていた魔法カードだった。

 かつて俺が異世界に送られていた時、何故かこちらのデッキに混じっていたカードだ。異世界ではこのカードにも助けられたが、タイミングがなく返しそびれていた。

「十代。返しそびれてたけど……ありがとう」

「……やるよ」

 感謝の言葉とともにカードを差し出したものの、十代は背中を向けたままそう呟いた。それから何の興味もないように、自習室から出ようと扉を開けると、俺の制止の声が届くよりも早く。

「オッソレミーヨー――!」

 ――何かのコスプレをしていたクロノス先生が、廊下を爆走していった。あまりにも高速すぎたために、何のコスプレをしていたかも分からないほどだった。

「……は?」

『待てぇー!』

 十代の口から勝手に出たような声をBGMに、アカデミアに暮らすメンバー一同がクロノス先生を追って走っていた。授業をボイコットされた生徒たちはともかく、何故か鮫島校長やトメさんまでもが。

「えっと……私たちも追いましょう、遊矢!」

「あ……ああ! 十代も!」

「お……おう」


 そうしてアカデミア中のクロノス先生を追いかけ回し、ようやく追い詰めたと思った場
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