暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
ひぐらしのなく頃に 〜「奴」殺し編〜
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合った。
そしてもう一度大きく振りかぶり、激しく火花を散らしながらぶつかり合う。

「通常ならば人の死は一回のみ。それを自分の都合で何度もやり直したぁ、都合のいい主人公様だよなぁ!?」

バキン!!

蒔風の「天」「地」が飛び、地面と木に突き刺さる。
そして脳天をカチ割ろうと「奴」が剣を振るうが、それをなんとか白刃取りする蒔風。

「こいつらはそれに見合う悲劇を・・・なによりも死を経験してきたんだ!!」

「何度も死んで慣れちまってダメならハイ次なんて簡単に世界を諦めるようなやつぁ、ロクな奴じゃねえんだ!!」

「ッ!!」

「奴」の腕にさらに力がこもり、グググと蒔風に刃が迫る。


「そいつは死に過ぎてな、死ぬことがそこまで重くなっちゃいないんだよ!!」

ズシャッ!!!

「奴」が剣を一気に引き抜く。

蒔風は真上からの力に対抗してたため、急に引かれて体勢を崩した。
そこを切り裂かれ、胸から血しぶきが飛ぶ。

「舜!!!大丈夫!?」

「ゲボッ・・・ウがァ!!!」

蒔風が畳返しで地面をはね上げ、「奴」を退かせる。


圭一とレナが身体を支え、魅音と詩音が前に出て蒔風を庇うように立ち、叫んだ。

「あんたがなんのこと言ってんだかわからないけどね、ここに死ぬことに慣れた奴なんかいないよ!!」

「同感です。生きることの素晴らしさを知ってるんです!!私たちは!!!」

「そうだ・・・だから俺たちはここにいるんだ!!」

「梨花ちゃんの命が狙われたときだってそう。生きたいから立ち上がったんだよ!!」

そんな前向きな、希望に満ちた声に「奴」は感心しながらも唾を吐く。


「・・・ふん・・・なにも知らされていないから言えることなんだけどな。あいつらが数多の別の可能性でお前らを見捨てたか・・・知らないから」

「奴」の言葉は彼らには聞こえない。
しかし、梨花や羽入の耳には届いていた。

「まったく・・・ウルっせぇんだよゴタゴタと」

「舜?」

羽入と梨花が心配そうに蒔風の顔をのぞく。
蒔風が魅音、詩音を退け、前に出る。

「そんなこと「この世界」で言ったってしょうがねえだろうよ!!こいつらがなんで百年も死を経験し、乗り越えられてきたか考えろよ!!!百回じゃない、百年だぞ!?それに慣れたならこんなに抗いはしない。いいか?死に恐怖し、生きたいという願望があったからこそ、彼女はここまで踏ん張ってきたんだ!!!」

「舜・・・」

「それを世界を壊して新しく作るだァ?バカ野郎が。この子のただ純粋な、生物として最も強い欲望たる「生」を百年間!!!積み上げ続けてやっと手に入れた幸福なんだぞ!!それを、こんなつまらない「死」でさっさと片付けんじゃねえ
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