暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
番外編 〜さまざまな夜の過ごし方〜
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【バカとテストと召喚獣】〜戦争前夜〜


蒔風が召喚獣を預けた夜のお話

《坂本雄二の場合》

「なあ、玄武とやら」

「なんだ?雄二殿。なにか用でもあるのかね?」

雄二がベッドに寝そべって姿の見えない玄武に話しかけると、宙に小獣状態の玄武が現れた。

「いや・・・明日試召戦争だろ?」

「うむ、確かにそうだの」

「戦ってる間に点数削られたら補充のテスト受けんだけどよ」

「らしいの」

「答え教えてくんね?」

「ダメ」

「チッ、ケチ臭い」

「ほぅ・・・それは我にケンカを売っとるのかツンツンクソガキ」

「そう聞こえたかドンガメ爺」

「ジジィというな!我は人型なら主らと変わらんのだぞ!!」

「でもそんなんじゃなぁ。人型になってみてくれよ」

「今は無理である。普通の召喚なら大丈夫だが、この状態では」

「やっぱ爺じゃん?」

「後悔させてやるわ!!!」

玄武が雄二に飛び掛かる。
雄二が叩き落とそうと手刀で迎え撃つが、甲羅に当たり、夜の坂本家に雄二の悲鳴が響いた。


《木下秀吉の場合》

「のう、白虎・・・じゃったかの?」

「なんだい?秀吉ー。あははは!この漫画面白い」

秀吉が回転式の椅子に座り、床でゴロゴロしながら肉球で器用に漫画のページをめくる小獣状態の白虎に話しかける。

「おぬし・・・・勝手に出てきてよいのか?」

「うん?いやまぁ、用は秀吉を護れればいいわけだし、ここで誰かに見られるわけでもないから、いいんじゃない?」

「舜に怒られんのかの?」

「多分ばれたらなんか言われるだろうけど、舜はそんなことで怒んないよ」

「そうなのか?」

「うん。形式的に言うだけさ。舜だって多分漫画があれば読んでるよ」

「秀吉〜、いる?(ガチャ)」

その時、秀吉の双子の姉、優子がノックも無しに入ってきた。
白虎は咄嗟にぬいぐるみのように四肢を伸ばしコロン、と転がった。

「姉上・・・せめてノックはしてもらえんか?」

秀吉は内心ビクゥ!としていたが、伊達に演劇バカではない。
一切表情にはでてなかった。

「いいじゃないよ・・・ん?なによこのぬいぐるみ。結構かわいいわね。どうしたのよ」

「それは男子から貰ったのじゃ」

秀吉は間違ったことは言ってない。
しかし、悲しいかな。
言葉は時に歪んで伝わるものだ。

「あんたぁ・・・また男子からこんなプレゼント貰ったのね!?」

「お、落ち着くのじゃ姉上!決してそのようなものでは」

「黙りなさい!女の私より男のあんたが貰ってるなんてぇ!!(ギリギリギリギリ)これは没収!」

(秀吉ぃ!た、助けてぇ・・・・)

白虎の目
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