五十五話:蘇り
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一瞬疲れが限界に来てしまったのかと思うが目の前ではスバルもフラフラとしていた。それを見てこんな時に地震かと考えたところで今度は爆音と強烈な光が辺り一帯に広がる。
「な、なにが―――」
何が起きたのかと光の出所を向いたところでティアナは言葉を失った。視線の先には天まで伸びる光の柱があった。何qも先にあるというのにその柱はハッキリと目に移り辺りに威容を知らしめていた。
確かにその光景だけでも凄まじいのだが彼女が言葉を失った理由はそこではない。光の柱がある場所。そこに本来あるはずのものが跡形もなく消失しているのだ。そう、地上のシンボルともいえる地上本部が―――消し飛ばされていたのだ。
地上本部の崩壊。それは何も六課の少女達だけが衝撃を受けたわけではない。寧ろ彼女達はダメージが少ない方だ。地上の部隊と言えど所属は海であり、何より彼女達の精神的拠り所は六課にあった。故に破壊された時は精神的なダメージが大きかった。
今現在の地上部隊の局員が受けているダメージはまさにそれと同じ、もしくはそれよりも大きいものであった。今の今まで必死になってあの地上のシンボルを守るために戦ってきた。子供の頃から憧れでもあるそれが一瞬にして消え去った。
何が起きたのか混乱するだけでなく、あるべきはずの物がないという違和感がストレスとなって襲い掛かってくる。そして、目の前からは大量のガジェット。戦意を失った彼らにはそれは恐怖の対象でしかない。
「何がどうなっているんだ…?」
「俺達が守ろうとしていたものが無くなったのに、俺達は何のために戦っているんだ?」
「大体、無限に湧いてくる化け物みたいな機械に勝てるはずがないんだ!」
混乱、無気力、恐怖。今まで持ち堪えていた気力を砕かれ屈強な戦士達は烏合の衆と化す。そうなればどうなるかなど言わなくとも分かる。大量のガジェットの前に為すすべなく局員達は倒れていく。そのことが恐怖を連鎖的に広げていく。さらに彼らを追い詰めるようにスカリエッティからの通信が辺り一帯に流れる。
【ごきげんよう、地上の諸君。ご覧の通り、旧き時代の象徴は綺麗さっぱり私が吹き飛ばしてあげたよ。君達は常識というくだらない支配から解放されたのだよ。これからは私が生み出す、全ての欲望が肯定される新たな世界に君達は生きていく】
ミッドチルダの至る所に業火に飲まれた地上本部の廃墟が映し出される。残っているのは瓦礫と複数の生体ポッドと顔の見えない男。そして、禍々しいまでの光を放つ巨大な器―――大聖杯。その姿は神々しさすら感じられるというのに人々の脳に根源的な恐怖を与える。まるで、決して見てはならないと言われた神の御姿を覗き見てしまったように。
【だが、私とて歴史には理解がある。踏み潰したのならその意志
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