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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百三十幕 「血を吐く人に限ってなかなか死なない法則」
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ている事は察している。
しかしこの鍛錬、観察力と瞬発力と精密な動きを同時に鍛えられるから馬鹿に出来ない。そして格好悪いからと敬遠するような甘い考えではユウの理想とする強さにいつまで経っても辿り着けない。だからユウはこの後十数分たっぷりとシュールを極めた練習を続けた。
なお、この日のユウは5時に起きて柔軟、筋トレ、走り込みを既に済ませて完全に体が温まっている。学園にいた頃も楽な鍛錬はしていなかったが、修業中ということもあって相当体を虐めていると言えるだろう。
その後も全く違う訓練を複数個こなしたユウは、近くの滝で水浴びがてら軽く滝に打たれ、7時ちょうどに現在泊めてもらっている家へ戻って来た。
現在、ユウが泊まっている家には二人の人が住んでいる。この時間帯なら片割れはまだ寝ているだろうが、家主の方は目を覚ましているはずだ。玄関内に気配を感じたユウは、さわやかな笑顔で戸を開けた。
「おはようございます、先生。今日は天気が良さそうですね」
瞬間、ユウの目の前に無数に分裂しながら迫ってくる成人男性の握り拳があった。
「儂の可愛い可愛い愛娘は絶対に嫁にやらんから悪い虫は潰れて死ね死ね連撃ッ!!」
「あっはっは。相変わらず親馬鹿全開な上に長すぎて意味不明な技ですねーって危なッ!?」
挨拶に対して返ってきたのは、
会殺
(
サーチアンドデストロイ
)
だった。
しかしこの程度の奇行と不意打ちなどユウにとっては兄の足元にも及ばない児戯に等しい低俗な行為。笑顔を全く崩さないままユウはその無数の拳を手刀で冷静に、丁寧に、一つ一つ弾き飛ばした。ISに乗り始めてから不思議と反応速度が上昇したユウの手の動きはIS時のラッシュに相当する速度に達している。
………逆を言うと、IS級の速度を叩き出さないとジジイの拳が捌ききれない。
変人偏屈老人――
草薙
(
くさなぎ
)
鷲
(
しゅう
)
。それがユウの泊まらせてもらっている家の家主であり、変人であり、変人である。大事なことなので二度言わせてもらったが、このジジィ年齢は70を超えているはずなのに恐ろしく強い。いや、むしろ恐ろしく強いからこそユウはここに来たのだ。
『強くなりたいならこのおっさんのところに行け』。ジョウが手渡してきた手紙には、そんなメッセージとめちゃくちゃ面倒くさい謎解きのヒントが入っていた。素直に目的地に行かせないためにヒントを小出しにする、ジョウが修業時代に散々やらせてきた手口である。
「お前が強くなりたいのは兄の俺が嫌というほど知っている。お前が死ぬほど努力したのも、悔し涙を流し過ぎてあまり泣けなくなったことも、時々自分の部屋で天井を見つめながら『限界』とにらめっこしていることも当然知っている。兄だからな」
(ちょっとユウ、この人兄だからの一言で片
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