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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百三十幕 「血を吐く人に限ってなかなか死なない法則」
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ニャースを探してふしぎ発見しているソ連兵でもないんですが。……いかんいかん、訳の分からない電波を拾い過ぎてしまったようだ。え、ポケモンGO?知らない子ですね。こっちの世界にはないです。
しかし、ある意味これからやるのは諜報活動なのかもしれない。
ベルくんの過去は今になって考えると謎に包まれている。どうして病弱になったのか、何故両親ではなく伯父と暮らしていたのかなど、枚挙すると暇がないほど謎だらけだ。それはベルくんというキャラクターが強すぎて逆に誰も追及してこなかったし、本人も碌に語ろうとしなかった。
つまり私はその謎のヴェールをそっと剥がして中身を確認しないといけない訳で、最悪ベルくんの知られたくない過去をスコップでザクザク穿り返さなければならないということだ。それがちょっと保存状況が悪くて中身べちゃべちゃになっちゃったタイムカプセルであれ、真赤な桜の木の根元に眠るカルシウム化合物であれ、やることは変わらない。
ベルくんがきっと嫌がることを、私はする訳だ。
その結果としてもしかしたらベルくんに決定的に嫌われるような何かが起こったとしても――もう、佐藤ミノリはとことん止まれないのだ。この宇宙の平和を守るために、私は阿修羅の道をゆく!
………け、決して子供の頃のベルくんの写真をこっそり永久保存しようとかそういう目的じゃないんだからね。本当だからね。ほら、この輝く目を見れば嘘じゃないのがわかるでしょ!!え?文字じゃ伝わらない?それは君に想像力が足りないからだよ。とりあえず不思議なステップでも踏んで集中力を高めたらいいんじゃないかな。
= そのころ 日本某所 =
静かに、ただ静かに、朝露の垂れる木の葉を見つめる。
ゆっくりと、ゆっくりと、一粒の水滴が流れ落ちる刹那――ユウは拳を振り抜いた。
「シッ!!」
振り抜いた拳は水滴に吸い込まれるように近づき――手の甲に当たる寸前でユウは拳を引き戻した。拳に当たると思われた水滴は拳には掠りもせずに地面にぱたりと落ちた。外したわけではなく、直撃コースに入ってから回避したのだ。
電気のヒモ相手にシャドーボクシングをする子供と同じ感覚でこれをやっているユウなのだが、その拳はスーパースローカメラで見てやっとわかるほどギリギリのタイミングで拳を放ち、引いている。非常に下らないが、常人には決して真似できない技術が無ければ実現できない上に非常に絵面が地味だ。
そしてこの果てしなく地味な事を朝の6時から林のなかでやっているユウは本当に傍から見たら変人としか言いようがない。しかも朝露の量が3,4個に増えたり連続で落ちても恐るべき速度で反応して寸止めパンチをしている光景はシュール過ぎて目を逸らしたくなる。ユウ自身、自分がかなり滑稽な姿をさらし
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