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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第三十話 意外な才能です。
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ら私に原因があるわ。私がついついあなたに余計なことを話してしまったのだから」
「いいえ、お姉様は『人に話すとつまらないうわさがたつわ』とおっしゃっていました。そのいいつけを破ったのは私なのです」

 アレーナは胸が痛んだ。前世ではこんなことはなかったのに。しらっとした態度でいつも切り抜けてきていたのだが、こんな純真な相手に接するとどうしても罪悪感を覚えてしまう。

 この子たちをこんな風にしてしまったのは、私なのだ。だから責任を持たなくては。

 アレーナはそんな風に考えていた。その時ふと別の考えが浮かんできた。

 リップシュタット戦役でリッテンハイム侯爵家は当主が無残な死を遂げているが、その家族はどうなったのだろう。リヒテンラーデ侯爵家の一門は当主の死後女子供は流刑になったことを考えれば、リッテンハイム侯爵家とて同じような運命にあったのかもしれない。あるいはうまく脱出してフェザーンか同盟にでも亡命したか。いずれにしてもその後の消息は不明だという原作から推察すると幸福とは言えない余生を送ったことは間違いない。

 このままではサビーネはそうなってしまう。だとしたら今両親と不和な今彼女をリッテンハイム侯爵家から離すチャンスではないだろうか。このままこうしていても、両親からは冷たくされ続けるのだから。いっそ――。

(そうだ、いっそのことサビーネをチート化させてやろうかしら)

 などと不遜な考えが浮かんだということではない。ただ、目の前の少女が不憫でならなかったのだ。


■ アレーナ・フォン・ランディール
 でも、どうやって?と私の中の声が問いかける。貴族のお嬢様なのよ。まさかOLにするわけにもいかないわよね。まして軍隊などもってのほかじゃないの。体力ないんだから。家で引き取って血縁者として過ごさせる?それともリッテンハイム侯爵家に私の親から話を入れてどこか二人でしばらくひっそりと暮らすように手配する?

 こんな時に脳みそ働かないなんてムカつくわね、といろいろ考えていた時だ、お姉様お姉様、と声が上がった。

「あの機械、なんですの?」

 サビーネが視線を向けた先には私の改造した戦略シミュレーターが鎮座ましましていた。簡単に説明してあげると、サビーネはつつましやかな瞳に興味のきらめきをもって見つめていた。ここのところしょげてばかりの顔を見ていたからかな、少しでもこうやって興味しめしてくれるんならって、

「ねぇ、サビーネ。そんなに興味あるならやってみる?」

 なんて言っちゃった。そうしたら、いいんですの?とサビーネが嬉しそうな声を上げてくれた。いいわよサビーネ。私のせいでこんなことになったんだから、せめてその償いを少しでもさせてちょうだい。
 サビーネを中に座らせて、私がそばでいろいろと教えて
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