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忘れ形見の孫娘たち
4.明日ちゃんと笑うために
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コンにお茶をぶちまけちゃった時は、『逆におれにかけてこなかったから火傷しなくて済んだ。ありがとなー』って。パンツ破いちゃった時も『これで新しいパンツを気兼ねなく買える。ありがとなー』って」

 おうおう爺様、いくらこの子が可憐だからって随分やさしいじゃないかえ?

「いやいや……かずゆきも人のこと言えないでしょ……ぶふっ……」
「ひょっとして五月雨に一目惚れか……ぶほっ……頭からそうめん被ったその風貌で……ありえねーぞっカズユキぃっ……ぶふぅっ……」
「お前ら説教の後ロメロ折檻追加」
「だからなんだか懐かしい気がして……まるでひこざえもん提督に元気づけられてるみたいで……私、うれしくって」
「そっか……ならよかったよ」
「はい! 和之さんありがとうございます!!」

 まぁ爺様の気持ちはわかる。五月雨ちゃんが真剣に頑張ってるのはすごく伝わってくるから、責めるなんて出来ないよな。爺様すら責める気が微塵もおきない天使五月雨ちゃん。

 その後は僕がそうめんを再度茹で上げ、四人で和気あいあいとそうめんを平らげた。別れ際の五月雨ちゃんと涼風は満面の笑みで、

「また遊びに来てもいいですか?」
「いつでも来ていいよ。爺様も待ってるから」
「やったぜ! んじゃ今度はみんなで遊ぼうぜーカズユキー!!」

 とまた来てくれる約束をしてくれた。僕はそのうち仕事に戻らなければならなくなるけど、しょぼくれた父ちゃん母ちゃんのいい話し相手が出来てなによりだ。

『五月雨ちゃんも涼風ちゃんも元気だよ! 特に五月雨ちゃんは“提督に心配かけないようにがんばります!”て言ってた!!』

 夜、鈴谷からこんなメッセージが届いていたことに気付いた。『明日笑うために今日は泣こう』って僕は言ったけど、今日のうちに笑顔になれたんだ。やっぱりちゃんとおもいっきり泣いたのがよかったみたいでなによりだ。

『明日は鹿島さんって人を連れて行くから!』
『はいよ。待ってるからなー』

 鈴谷からのメッセージの返事を適当にやりつつ、元爺様現母ちゃん所有のパソコンで艦これにログインしてみた。鹿島って子は……いた。なんかドSっぽい見た目とふわふわした物言いがなんだかアンパランスで、こっちの好奇心をくすぐってくるキャラだ。

 鹿島ってキャラクターの確認が済んだ後、僕はどうにも五月雨ちゃんが気になって、秘書艦を五月雨ちゃんにしてみたくなった。秘書艦を鈴谷から五月雨に交換する。

『いよいよ私たちの出番ですね!』

 元気よく五月雨がそう答えていた。

『それはそうと、かずゆき』
『んあ?』
『明日はどうする?』
『何がだ?』
『明日も今日みたいに鈴谷と手つなぐ?』

 昼間の失態を思い出し、ドヤ顔でメッセージを送ってる鈴谷を反射的に想
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