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転生とらぶる
1369話
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ないし、高杉のような木連の人間が直接口にした訳でもない。
 だがそれでも、これまでのやり取りから何となくその辺は理解出来てしまっていた。
 そんな草壁に対して貸しを作るという事は、シャドウミラーにとって大きな利益となるのは間違いない。
 ……踏み倒そうとするのであれば、それはそれでその程度の男だったという事になるだろうし。

「分かりました。この件に関しては必ず草壁中将に報告させて貰います」
「そうか、ならいい。そいつは任せたぞ」
「はい」

 俺達がこの笠の男を確保しない理由の1つとして、気絶した大人1人を持ち運ぶのが大変だというのがある。
 特に俺やイザークの場合は、生身で銃器を持った相手に対しての戦闘を可能としている。
 だが、大人の男……見た感じ結構がたいがいいし、100kgを超えてるくらいか? そのくらいの重量を持って反応するとなれば、色々と面倒な事になるし……何より、この笠の男が死んでしまう可能性も高い。
 そんな風に気を使って戦うのであれば、高杉達に任せてしまった方がいいと判断したのだが……

「シロガネが見えたな」

 俺の呟きに、高杉を含めた木連の兵士達が微かにだが喜びの声を上げる。
 イザークは俺の隣で、複雑そうな表情を浮かべて木連の兵士が背負っている笠の男へと視線を向けていた。
 そう、結局あの後は笠の男を捕らえてから特に敵に遭遇する事もないままシロガネへと到着したのだ。
 てっきり他にももっと敵と遭遇するものだとばかり思っていたんだが……完全にこちらの予想を外された形だ。
 この辺、どうなってるんだろうな? 考えられる中で最も可能性が高いのは、笠の男の腕がそれだけ信用されていたという事か。
 襲撃は絶対に成功すると判断されており、後続の襲撃者を用意していなかった。
 ……だとすれば、あの笠の男は今回の件の首謀者の中でも随分と腕の立つ部類に入るという事になる。
 まぁ、それが本当かどうかというのは、高杉達が尋問してそのうち情報を聞き出せるかもしれないが。

「では、アクセル代表。早いところ行きましょう。もしこの男の仲間が襲ってくれば、こちらとしても被害が出かねません」

 高杉の視線が、両脇から抱えられている笠の男へと向けられる。
 笠はそのままだが、服に幾つも隠してあった隠し武器の類は既に没収してある。
 高杉は銃を持っていたので、木連の兵士達がそれぞれ隠し武器を持っていた。
 ……クナイのような短剣とか、かなり心許ない気がするけど、無手よりはマシだろう。

「そうだな、じゃあ行くか。まぁ、ここまで来れば襲撃の心配をする必要はないだろうが」
「え? どういう意味ですか?」
「ほら、向こうを見ろ」

 視線の先では、シロガネの甲板上に待機しているメギロートの姿が見え
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