1369話
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の前で消えた刀に驚きの表情を浮かべていたが、それについては特に気にしない。
刀は……まぁ、業物かどうかって目利きは俺に出来ない以上、ホワイトスターに戻ったらムラタにでもやればいいだろう。
多分喜ぶ……と思うんだが。
「アクセル、それでこの男はどうするつもりだ?」
こちらもまた、俺が刀を空間倉庫に収納したのに全く驚いていないイザークの言葉に、視線を笠の男の方へと向ける。
何を目的にしてここに待ち伏せしていたのかは分からない。分からないが……それでも俺達に対して害意を持っているのは明らかだった。
である以上、こっちで確保してもいいんだが、そうすると今回の件の真相究明が遅れるという可能性もある。
何より、シャドウミラーとしてはこの男を引き取っても苦労の方が多い。
情報を引き出せれば裏家業っぽいし、色々と有益な情報を持っていそうではあるのだが……大抵こういう奴は拷問に耐える訓練とかを受けている。
迂闊に情報を引き出そうとすれば、切腹って訳じゃないけど自殺してしまいそうな感じがヒシヒシとするんだよな。
だとすれば、こっちで処分するよりは木連に渡してしまった方がいい。
それにこの男の身柄を引き渡すという事は、木連に対して貸しを作ることにもなるし。
エザリアが交渉を行っている現状、木連に対するカードは多ければ多い程いいのだから。
「高杉」
「はい、何ですか?」
「この男、お前達に預けてもいいか?」
「……いいんですか?」
一瞬驚きの表情を浮かべた高杉だったが、すぐに我に返ると俺の方へと視線を向けて尋ねてくる。
倒したのが俺である以上、この笠の男の身柄は俺が貰い受けると思っていたんだろう。
「ああ。ただ、当然ながらこの件はシャドウミラーから木連への貸しという事になる。それは理解しているよな?」
「はい。……客人のアクセル代表達を危険な目に遭わせてしまったのは事実ですし、その危険をもたらした男を倒したのもアクセル代表ですから。こちらが何を主張しても無駄だというのは理解しているつもりです」
「分かってるのなら、それでいい。後はそれを秋山の方に……そして草壁にきちんと知らせておいてくれればな」
ここ何日か木連の連中と付き合ってみて分かった事がある。
それは、現在の木連の実質的な指導者が草壁だという事だ。
勿論草壁は中将という立場で、純粋な軍組織として考えればかなり上位の地位にいる人物ではあるが、それでも上には大将、元帥……組織によっては他にも中将よりも上の地位は存在する。
木連でも中将よりも上の地位の人間はいるのだろうが、現在実質的に木連という組織を動かしているのは草壁だ。
つまり、草壁が実質的な木連の指導者という認識で構わないらしい。
草壁本人がそう口にした訳では
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