1369話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
気絶した笠の男が床に崩れ落ちる音でようやく俺の姿に気が付いたのか、高杉は大きく目を見開く。
「ア、アクセル代表!? いつの間にそこに!」
「さて、いつの間にだろうな」
「そんな……あの状況で……」
驚いてるのはいいんだが、それは俺が無事だった事よりも気配遮断を使った事に対しての驚きのように思える。
いやまぁ、この笠の男と同じように気配を感じないようにしているのは同じだが、向こうは純粋な技術なのに対して、こっちはオカルトとか魔術とかそっち系等のスキルだからな。
どうしても高杉達にしてみれば、信じられないのだろう。
「一応、似たような真似ならシャドウミラーの実働班なら誰でも出来るんだが」
「おい、アクセル。俺にはお前みたいに敵の見てる前で気配を消して気が付かれないようにするような真似は出来ないぞ」
イザークの場合、隠密系の技術はあまりないからな。
その辺は仕方ない。だが……
「瞬動を使えば、結局同じような真似は出来るだろ?」
「それは……」
そう、この世界の住人にしてみれば、殆ど瞬間移動と表現してもいいような、瞬動という移動方法。
これを使えば、離れた場所にいた人物が移動したと思った瞬間には自分のすぐ側にいるという事になる。
気や魔力を使えて初めて使えるスキルである以上、この世界にいる人間で瞬動術に反応出来る者はいないだろう。
その上、更に上級スキルの空中を蹴って移動する虚空瞬動とかになれば、更に話は別だ。
「瞬動、ですか? それはどのような? 自分も木連式柔術という武術についてはそれなりに自信があるのですが」
「木連式柔術? そういえば秋山がそんなことを言ってたな」
名前から考えれば、木連流にアレンジされた柔道……いや、柔術なのか。
柔道と柔術というのは、名前は似ているようだが実際には随分と違う。
簡単に言えば、柔道+打撃が柔術と言ってもいい。
より実戦的な武術と言えるだろう。
「ええ。それとアクセル代表が倒したその男は、恐らく木連式抜刀術の使い手だと思われます」
「抜刀術、ね」
抜刀術というのは、いわゆる居合い斬りだ。
ただ勘違いしている者が多いんだが、抜刀術というのは一回鞘から抜いて攻撃したら、次にまた刀を鞘に戻したりといった真似はしない。
一度居合いを放ったら、そのまま続けて攻撃していくものだ。
……まぁ、このナデシコ世界も原作がある以上、もしかしたらこのナデシコ世界の抜刀術というのは一度攻撃したら再び鞘に戻すのが一般的なのかもしれないが。
「取りあえず、抜刀術の使い手だって言うのなら、この刀は没収しておくか」
呟き、地面に落ちている刀へと触れ、空間倉庫に収納する。
それを見ていた高杉や他の奴等がいきなり目
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ