外伝
外伝《絶剣の弟子》F
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いの人って平然と無茶苦茶やってのける人たちですよね」
「あはは……まあ、そうかな」
そんな感じでユウキさんと話を続けていると次々と人が店に入って来た。
全員が全員、アバターとリアルの顔が一致している訳ではなかったが、何となく雰囲気が似通っているので名前を言われればすぐに分かるようになった。
料理も段々と運び込まれ集まって来た人たち同士で話をして、オフ会らしい雰囲気に浸っているとリズベットさんに声を掛けられた。
「ライト。昨日はすっかり言うの忘れてたんだけど」
「え?あ、はい。何だったんですか?」
「これ見て」
リズベットさんが差し出したのは大きめのタブレットだった。黒地に赤いフォントがギラつき、気味の悪い空気を醸し出している。
「これは?」
「《狩猟大会》の情報が書き込まれてる掲示板よ。ほらここ」
「…………うわぁ」
どこで撮られたのか、様々な角度から撮られた自分のアバターの写真が貼り出されてた。他には各種族の領主や有名プレイヤーの顔写真もある。
「領主たちとほぼ同額の賞金ね。良かったじゃない」
「よくないですよ……」
一度逃げられた獲物の賞金は高くなるらしく俺の首にかけられた賞金額は2度修正されていた(どうやら昨日のニアミスもカウントされたらしい)。
「まあそんなことよりここ見なさい」
「……えーと?《絶剣の弟子》……??」
絶剣なる人の弟子になった覚えは……と反射的に思うが、俺が師事してる人はただ1人。素人目に見てもその人はとんでもなく強いと分かる。
「あの《絶剣》ってもしかして」
「え、あんた自分の師匠のアダ名も知らないの??」
「初めて知りましたよ……」
「元々勝手に付いたアダ名だし、わざわざ言わないよ。なんかこそばゆいし」
苦笑い気味にユウキさんが言う。俺は改めてその小さな女の子を自分でもよくわからない感情を含んだ視線で見てしまう。
「《絶剣の弟子》……そっか。やってることはそうだったよね」
「……まあそうですね」
「ボク、ちゃんと出来てた?」
「ええ、とても助かりました」
そっか、ともう一度言うとユウキさんはそれきり黙ってしまった。リズさんも俺とユウキさんを交互に見て何を得心したか、1つ頷くと「それじゃ」と言ってどこかへ行ってしまった。
気まずい雰囲気ではなく、むしろ心地よい。ユウキさんと普段雑談してるより、何というか……心理的距離が近いように感じていた。
「おう、ライト。楽しんでるか?」
「はい。今日は誘って頂いてありがとうございます」
「良いって。それより、リズのやつから話は聞いたか?」
「はい……なんか、アダ名まで付け
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