巻ノ四十六 婚礼その十一
[8]前話 [2]次話
「今からじゃ」
「北条家を見て」
「若し戦になればですか」
「その時は」
「殿は北条家とは戦をしたくない」
家康の考えも言うのだった。
「その様にお考えじゃが」
「しかし、ですな」
「徳川様がそうお考えでも」
「北条殿が頑ななら」
「その時は」
「戦となる」
こう言うのだった。
「関白様とな」
「関白様と戦になれば」
「北条殿が」
「その時はな」
「知っておけば、ですな」
「容易に動ける」
「ですから」
声達も言う。
「北条殿のご領地に」
「今からですな」
「我等も入るのですな」
「わしも行くことを考えている」
棟梁である服部自身もというのだ。
「十二神将達もかなりの数を入れたい」
「では」
「伊賀のかなりの力を入れて」
「そのうえで」
「うむ、北条殿を調べようぞ」
盟友である筈のこの家と戦になることを見越してというのだ、服部は声達に話した。そうした話ををしてそのうえでだった。
服部は彼等にだ、こう言ったのだった。
「ご苦労だった」
「有り難きお言葉」
「さすれば」
「後で褒美をやる、楽しみにしておれ」
こうも告げた、そのうえで声達が去る気配を感じ取ってからだ。彼もまたその姿を何処かへと消したのだった。
巻ノ四十六 完
2016・2・21
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ