第四幕その八
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「実際に」
「そうでしょ、だからね」
「探しはしてもですね」
「この宮殿にいなくてもね」
それでもとも言うオズマでした。
「特に驚くことはないわよ」
「そうですよね」
「まあ見付かればね」
それで、と言うのでした。
「それに越したことはないわ」
「そうですね、本当に」
「だからね」
「探すにしても見付からなくても」
「オズの国の何処かで元気にいるから」
それでというのです。
「安心してね」
「わかりました、それじゃあ」
「後は王子が来てくれたら」
「今はお風呂ですね」
「王様は寝てるし」
このことはと言うのでした。
「エリカも一緒だから」
「王様とですか」
「あの娘は王様のお部屋に行って寝たわ」
「王様は早寝遅起きって聞きましたけれど」
「ええ、そうよ」
オズマはカルロスにその通りだと答えました。
「よく寝る人よ」
「それじゃあですね」
「あの人とエリカは起きないって思ってね」
「じゃあ王子が来られたら」
「ボタンを皆で探しましょう」
「わかりました」
カルロスはオズマのその言葉に頷きました、そしてです。
王子が来るのを待ちました、その王子も来てお話をしてからです。事情を理解した王子も入れて皆で探しはじめたところで。
お部屋にです、その起きない筈の人達が来ました。
「ほっほっほ、皆揃っておるな」
「よく寝られたかしら」
「あれっ、王様」
「それにエリカも一緒だね」
カルロスと王子が王様達を見て言います。
「早寝遅起きって聞きましたけれど」
「今日は早起きですね」
「いや、ベッドに入ってすぐな」
「よく寝られたからよ」
こう答えた王様とエリカでした。
「今日はいつもよりも早く起きられたのじゃ」
「私もね」
「王様いつもベッドに入ってすぐに寝てますよ」
王様の親友である王子の言葉です。
「けれど今日はですか」
「ううむ、どうも眠りが深くてな」
「それで、ですか」
「目を閉じて開いたらな」
その時はというのです。
「気持ちよく起きていたのじゃ」
「だからですか」
「今日はいつもより早起きじゃ」
「そうですか」
「それで皆何か騒がしいが」
「はい、実は」
カルロスが王様に言ってきました。
「ボタンがいなくなりまして」
「いなくなった?」
「はい、一緒の部屋で寝ていましたが」
「ボタンならいるぞ」
「いるんですか」
「そうじゃ」
その通りという返事でした。
「わし等と一緒におったぞ」
「王様のお部屋で寝ていたのよ」
エリカも言います。
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