3.爺様のスイカ
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悪いなーと思って」
「気を使うのはいいんだけど、それ以上の迷惑をうちに振りまこうとしてるからね?」
まったく……ちょっとは大淀さんの礼儀正しさをを見習ったらどうだこの女子小学生は……
「スイカのお味はどうですか?」
大淀さんが僕と鈴谷の不毛なやり取りを眺めながら、少し笑いをこらえつつそう質問してきた。聞けばこのスイカは、彼女たちの施設で取れたスイカということだった。
「美味しいですよ? 本当にありがとうございます」
「いえいえ。このスイカ……ひこざえもん提督の一言でみんなで栽培することをに決めたんです」
へぇ。あの爺様がスイカを育てるだなんてまったく似合わないな……
「なんて言ってたんですか?」
「“孫に俺のスイカを食わせて、負けを認めさせる”って言ってました」
「……」
「だから……和之さんにはぜひ食べていただきたくて持ってきたんですよ? お気に召したようでなによりです。ひこざえもん提督もお喜びのことと思います」
「待ってきてくれたのはありがたいですし実際とても美味しいスイカですけど、僕は爺様に負けてませんから」
「おっ。かずゆき負け惜しみ? ぷぷぷっ」
「だから僕をスイカの種でスナイプするのはやめなさいっ」
「うりゃー。ぷぷぷっ」
こうして僕と鈴谷が今世紀史上最もしょぼい攻防戦を繰り広げていた時だった。
「私も……ひこざえもん提督のスイカ、いただいてよろしいですか?」
僕と鈴谷の様子を見ていた大淀さんが、笑顔でそう言った。
「私もスイカ、いただきたいです」
「わかりました! ちょっと待っててください!!」
僕は台所に行き、大淀さんが持ってきたスイカの余りを冷蔵庫から出して、そのスイカから大淀さんの分を切り分けて皿に持った。そしてそれを大淀さんの前まで持ってくると……
「じゃあ、いただきます。……しゃくっ」
大淀さんはそのスイカに口をつけた。目を閉じてスイカをじっくり味わいながら、爺様との思い出を思い出すように。
「……美味しい。美味しいですね。ひこざえもん提督のスイカ、本当に美味しいです」
「ええ。これをこんなに美味しく育ててくれた大淀さんたちには、本当に感謝です」
「ありがとうございます。美味しいです……本当に……」
爺様のムカつく鶴の一声によって生み出されたスイカの味と、爺様との三年間の日々の思い出を噛み締めながら、大淀さんは僕と鈴谷に精一杯の笑顔を向けてくれた。その顔は、爺様との別れを悲しむ気持ちと、それでも悲しみを受け止めて前に進もうという前向きな気持ちにあふれていた。
「ホントに……ぐすっ……美味しいです。……ひこざえもん提督……あなたのスイカ……ぐすっ……ホントに……」
「大淀さん……」
「和之さんありが
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