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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十九話 ダンス、ダンス、ダンス!!なのです。
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日の「モーントシュタイン」には余裕はなさそうだった。
(これも、ダンスパーティーとやらのせいか。)
 ロイエンタールはそう思いながら一人カウンター席に座っていた。





* * * * *

「すごいね〜」

 フィオーナが声を上げた。
 パーティー会場となった巨大なホールにはイルミネーションがともり、華やかな音楽が鳴り響いていた。そこかしこにカップルができており、手をつないで歩く者、つれだって料理を食べる者、テラス席の個室で酒杯を交わす者、様々だった。
 自室で過ごすというイルーナとは別にティアナとフィオーナは二人してレストランで夕食を食べ、見るだけだからという軽い気持ちでダンスパーティーホールにやってきたのだった。

「この曲、なんていう曲なのかな」
「Dance with balamb fishっていう20世紀末のどっかの曲をリメイクしたみたいね。ま、数百年たった今じゃ著作権もとっくに切れているらしいし、大丈夫なんじゃない?」
「そう言う問題?」
「じゃあフィオ。ここでお別れね。私はバーに行ってお酒を飲んでくるわ」

 ティアナは軽く手を振ってフィオーナから分かれていった。

「・・・・・・」

 フィオーナはしばらく佇んでいたが、やがて人気の少ないテラスに歩んでいった。バルコニーには樹木が手の届くところに生い茂り、さやさやという人工風に吹かれてその葉を揺らしていた。柔らかな白い街灯がバルコニーを、樹木の向こう、眼下に広がる人口庭園を照らし出している。上を仰げば人工的に作り出された要塞内の夜の空を見ることができる。ここならば自分の時間を過ごせるだろう。フィオーナはバルコニーの手すりにもたれて夜風を一人楽しんでいた。


* * * * *

 ミュラーは必死に走っていた。最初はフェルナーやキスリングから逃げるためだったが、今は違う目的に変わっていた。道行く人の割合8割強はカップルである。顔や髪型は違っても共通しているのはどのカップルも幸せそうだということだ!そんな彼らから見れば自分は物笑いの種でしかないだろう。
 俺は何をやっているんだ、とミュラーは思った。文字通り逃げているだけではないか!そうだ、俺は逃げている!俺には自信がない!俺には美男子の素質も洗練された会話の能力も地位も家柄も何一つない!何一つ!何一つ!何一つ!――。

「きゃあっ!!!!」

 どっす〜ん!という音とともにミュラーが柔らかいものにぶつかって跳ね飛ばされた。したたかに腰をうったがミュラーはすばやく立ち上がっていた。どうやら声からしてご婦人を跳ね飛ばしてしまったらしいと悟ったからだ。とんでもない悪日だと思いながらミュラーはすばやく手を差し伸べた。

「大変失礼いたしました。お怪我は――」

 ミュラ
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