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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十九話 ダンス、ダンス、ダンス!!なのです。
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の姿を見失ってしまったのである。


* * * * *

 イゼルローン要塞中にある居酒屋でも、ここ「モーントシュタイン」は穴場だった。歓楽街から少し離れた路地裏にひっそりと営業している知る人ぞ知る士官専用の居酒屋である。入場するには身分証が必要であるが、入ってしまえば、遮音個室あり、広々としたソファー席あり、バーカウンターで一人自分の時間をゆったり楽しみながら盃を干すこともできるなど、それぞれの時間を楽しめる居酒屋なのである。
 店内は静かで(といっても居酒屋なのだからそれなりの騒がしさはあるが。)うるさい連中は来ない。軍人上がりのマスターや店員がそんな客はすぐに追っ払ってしまうからである。客たちはソファー席にてゆったりと酒を酌み交わすこともできるし、一人静かにカウンターで飲むこともできる。そんな中に二人の人間がソファー席で酒杯を交わしていた。

「いや、俺はいかない。ここで卿と酒を飲んでいる方がいい」

 そうロイエンタールはいい、グラスを持つ手を緩めなかった。

「そう言っていると、本当に婚期を逃すぞ」

 ミッターマイヤーが苦笑する。

「ミッターマイヤー、卿はわかっていないな。俺には女というものは破滅をもたらす死神にしか見えないのだ」
「そうひねくれたものの見方をするようでは、死神も卿の家の戸口をまたぐ前に引っ返すだろうよ」

 ミッターマイヤーの言葉に酒を飲み干したロイエンタールは、太い吐息を吐いた。

「なんとでもいうがいいさ、とにかく俺は卿とこうして酒を飲んでいる方がいいのだ」
「そうしたいのはやまやまだが、残念ながら俺にも門限があってな、エヴァに怒られてしまう」

 エヴァンゼリン・ミッターマイヤーはミッターマイヤーの妻として、オーディンではなくここイゼルローン要塞に来ていたのだ。ミッターマイヤーの束の間の休暇を共に楽しむために。これには理由があった。オーディンに帰還するにはミッターマイヤーの休暇日数が足りなかったのだ。

「そうか。残念だな」

 ロイエンタールはそう言ったが、さりとて親友を引き留めはしなかった。女には不審を抱くが、さりとて親友の妻に対して無礼なことをする気持ちには到底なれなかったのである。

「今からでも遅くはないぞ」
「いや、ここで一人で飲んでいる方が気分がいい。俺の好きにさせてくれ」

 そうまで言われては、ミッターマイヤーも苦笑するほかない。

「わかった。あまり度を過ごすなよ。また今度卿と酒杯をかわそう」
「あぁ。気をつけてな。奥方によろしく言ってくれ」

 ミッターマイヤーが立ち去った後もロイエンタールはワインを静かに注ぎ、黙ってそれを飲んでいた。だが、ほどなくして彼は席を移すことになる。残念ながら一人でソファー席を独占できるほど、今
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